ろうさいニュース

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(ろうさいニュース第31号掲載)

ウインタースポーツを安全に楽しむために

臨床研修医   田中 太晶

  はじめまして、臨床研修医の田中太晶と申します。皆さんは臨床研修医という言葉をご存知でしょうか?医師免許取得後2年間をかけて内科、外科、整形外科、脳神経外科などいろいろな科を研修する制度で、昨年4月から新潟労災病院でもこの制度がスタートし、現在私が当院の第一号の研修医として働いています。皆さんとはいろいろな科でお会いすることになると思いますので、よろしくお願いいたします。
 上越地方といえば、全国でも有数の豪雪地帯ですが昨年中は本当に冬がやってきたのだろうかと思うほどの暖冬で、近隣のスキー場にもまったく雪がない状態でしたが、今年に入りいよいよ冬将軍が到来し妙高の山々もやっと雪化粧し、平年よりも1ヶ月遅いウインターシーズンが始まりました。私は学生時代、競技スキー部に所属しており、冬の間は妙高関温泉にこもるような生活をしていました。スキーをしていると言えばよく人に何級を持っているのかと聞かれるのですが、競技スキーは斜面にセットされた旗門の間を一番速いタイムで滑り降りる競技でタイムがすべての世界です。国体でも実施される大回転という競技ではアイスバーンのような固い斜面を時速40〜50キロで滑り降りるため、ハイスピードのスリルと危険が隣り合わせの競技です。競技スキーヤーはそのスピード感とスリルにすっかりハマってしまうのですが、私もその一人で研修医になった今も競技スキーを卒業することができずに、今年の福井県冬季国体予選では成年男子B(27歳から35歳まで)で優勝することができ、2月22日から開幕する岩手りんどう国体に参加できることになりました。滑走中に転倒するとものすごい衝撃のため、スキー板が壊れることや頭を打つことがあり、最悪の場合には骨折や靭帯断裂ということも起こります。ケガをすると本人が一番困るのですが、それだけでなく周りの人にも迷惑をかけてしまいます。その危険から身を守るために競技スキーヤーは練習中からヘルメットをかぶり、パッドが入ったレーシングワンピースをきて滑るのが半ば常識になっています。
 ところが一般のゲレンデでは帽子もかぶらずにサングラス、ゴーグルのみでスキーやスノーボードを楽しむ人が多くいるのが目に付きます。今の流行でスキー場にはジャンプ台やハーフパイプなどがあり、それらに挑戦する人が結構いるのですが、その行為は非常に危険性があるにもかかわらずまったくプロテクション(防護)せずに飛んだり、跳ねたりしているのを目にするとケガをすると困るのは自分なのにどうしてなのかな?と違和感を感じずにはいられません。そこで私が提案したいのはいつでもヘルメットをかぶってスキーやスノーボードを楽しんでみませんか?ということです。最近ではヘルメットも競技スキー向けだけでなく機能、デザインともに洗練されたものが数多くあり、普通にヘルメットをつけていても全く気にならずに滑ることができ、また安心して滑ることができるために上達への早道にもなると思います。安全にウインタースポーツを楽しむためにも、そしてケガを最低限にとどめるためにも自らが身を守るようにして残りのシーズンを楽しみたいものですね。

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