ろうさいニュース

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あごの骨折

歯科口腔外科医師  関 雪絵

 いよいよ本格的な冬が到来し、足元がすべりやすい季節となってきました。この時期は道路状況が悪いため、転倒などによるけがも増えることが予想されます。転倒してあごを打ってしまうということもおおいに考えられます。
 あごの骨というのは目から下の部分で、顔の土台となっており、上あごと下あご、頬骨(ほほぼね)から成っています。この部分に何らかの強い力が加わると起こるのが「あごの骨折」です。骨折の原因としては、転倒のほかに交通事故やスポーツ、作業中と様々です。主な症状としては口や鼻からの出血、あごや歯の痛み、かみ合わせのずれ、口が大きくあかない、などがあります。中にはあごが折れたことがすぐにはわからず、数日してから痛みが出てくるという場合もあります。
 しかし、顔面やあごをうったあと、口があきづらい、いつまでもあごの痛みがとれないなどの場合はぜひ一度当科を受診してみてください。
 診察と検査について説明しますと、まずあごと歯のレントゲンをとります。それから顔面からあごの下にかけてのCT検査を行います。これらの結果、どの部分がどのように折れてしまっているかがわかります。
 治療法としては、折れた場所や折れ方によって手術をしない「保存的療法」というものもありますが、この場合治るまで時間がかかります。上あごが折れた場合に多い治療法です。頬骨や下あごについては手術によって骨をくっつけてしまう「観血的整復固定術」を行うことが多いです。この場合は金属のプレートやネジ、または吸収性のプレート、ネジを用いてあごの骨をとめます。とめたあとは、約1週間から10日間程度、上あごと下あごがあかないように細い針金でしばります。このあごの固定期間が、昔は4週間から6週間といわれていましたが、当科では速やかに手術をすることによってしっかり骨をとめ、できるだけ短い固定期間となるようにしています。食事についても、以前は鼻からチューブを入れることが多かったのですが、なかなか気持ち悪いものなので、当科では流動食をとってもらい、極力口から食事をしていただくようにしています。
 あごだけでなく歯も打ってしまった場合、あごの治療がすんでから歯の神経の治療などが必要になってくる場合もあります。
 当院には整形外科のほかに耳鼻科、眼科もありますので、骨折の範囲が広い場合や顔以外の場所が折れている場合などは、他の科の先生たちと協力して治療にあたります。もし不運にもあごを打ってしまった場合は、当科へおたずねください。

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