ろうさいニュース

当院の理念
「働く人の健康を守り、地域の急性期医療に貢献します」

第60号
2007年7月1日

新潟労災病院
上越市東雲町1−7−12
TEL:025(543)3123
URL http://niirou.jp/

勤務医不足に思うこと

病院長  酒井邦夫

 病院の勤務医不足が深刻化しています。マスコミでは産科・小児科・麻酔科等の勤務医不足が大きく取り上げられていますが、その他の診療科でも病院から勤務医がいなくなり、診療規模の大幅な縮小や廃院を余儀なくされたとのニュースをしばしば耳にするようになりました。新潟県内でも、水原郷病院の医師大量退職による診療規模の大幅な縮小は記憶に新しいところであり、ごく最近の糸魚川市姫川病院の廃院も医師の大量退職とそれに伴う経営不振が原因と報道されています。勤務医不足が直接の引き金になって、病院医療は崩壊に向かって進んでいるようにみえます。
 厚生労働省は、勤務医不足の原因として、地域偏在、診療科偏在、女性医師の増加、勤務医の開業志向等を挙げ、医師の絶対数は不足していない、としています。本年3月の衆議院予算委員会においても、日本の医師数は経済協力開発機構(OECD)の平均より少ないことを指摘する質問に対して、松谷医政局長は「医師は現在毎年3,500人以上増加しており、絶対数はほぼ足りている。」と答えています。医師の絶対数は本当に足りているのでしょうか。
 OECDによると、2003年の日本の医師数は人口1,000人あたり2.0人で、加盟30カ国の平均2.9人に及ばず、27位となっています。日本より少ないのは、メキシコ、トルコ、韓国の3カ国ですが、これらの国では年間増加率が日本より高いために、このまま推移すると2020年までに日本はOECD加盟30カ国中最下位に転落する、と近藤克則教授(日本福祉大学)は試算しています。グローバルスタンダードでみれば、日本の医師の絶対数は明らかに不足しているのです。医療費の対GDP比7.7%(2002年データ)という、日本と同様の低医療費政策によって医療崩壊に直面した英国では、医療費をGDP当たり10%に増額するとともに、医学部入学定員を50%増やしています。わが国の厚労省も、医師の絶対数は足りているとするこれまでの政策の誤りに早く気付いて、改善策を講じてほしいと願うものです。
 そもそもわが国の医師不足は、旧厚生省の検討委員会が1976年、「2025年には医師が1割程度過剰になる」、と予測したことが発端になっています。高齢化社会の到来、患者ニーズの多様化、女性医師の増加等の要素を考慮しない、極めて荒っぽいやり方で行われたものですが、この将来予測が基になって、一県一医科大学構想でせっかく増員された医学部入学定員が、1986年から約10%削減されました。新潟大学も1989年に、定員120人から現在の100人に、20%近く減らされています。もちろんこの政策の背景には、日本の医療費の伸びが経済発展に悪影響を及ぼすとする、当時の厚生省保険局長の「医療費亡国論」も大きく関与していたものと推測されます。
 これまで5年以上にわたり勤務医確保に奔走してきた病院長の立場からみて、勤務医確保に是非とも必要と思われる政策は次の二つです。一つは医学部入学定員を元に戻すことです。入学定員増は即効性がないとの批判もあり得ますが、逆に長期的な展望のない短期的施策をいくら講じても「焼け石に水」で、実際的な効果は期待出来ないものと思われます。二つ目は、「医療費亡国論」から早く目覚めて、医療費をGDP当たり8.0%(2003年データ)から10%程度に増額することです。英国に倣って、医療費抑制政策から脱却することです。これには医療者の自己改革と国民の理解を得るための努力が同時に必要になりますが、経済財政諮問会議等が主張する効率化至上主義には限界があり、これ以上の医療費抑制は病院崩壊をもたらすと思うからです。病院崩壊で最も被害を受けるのは国民です。
 イソップ物語に、「ガチョウと黄金の卵」という寓話があります。毎日一個の黄金の卵を産むガチョウを飼っていた農夫が、一日一個しか生まれない黄金の卵が待ち切れなくなり、ガチョウを殺して腹の中の金の卵を全部一気に手に入れようとしたが、腹の中は空っぽで、そのうえ黄金の卵を手に入れる手段さえも失くしてしまった、という物語です。医療の効率化(=医療費抑制)だけに目がくらんでしまうと、悲惨な結果(=病院崩壊)を招くことを暗示しているように思うのは、強引過ぎる解釈でしょうか。

☆ 医師交代のお知らせ ☆

転入     転出    
(7/1) 内科 三船大樹医師 (6/30) 内科 高橋正明医師
  内科 古塩奈央医師   内科 日浦政明医師
        内科 猪俣 繁医師
 


よろしくお願いします!(新任医師自己紹介)

眼科副部長    那須貴臣
 6月1日より眼科に赴任して参りました。平成12年に産業医科大学を卒業後、眼科学教室に入局し、筑豊労災病院、JR九州病院、九州労災病院と勤務しました。特に九州労災病院では、数々の難症例を経験する事が出来ました。その経験をいかし、上越地区の地域医療に貢献したいと思います。
内科医師    前川 智
 内科(消化器)医師として6月から赴任した前川 智です。産業医大卒で、現在医師7年目であり、まだまだ未熟であり、何かとご迷惑をおかけするようなこともあるかと思いますが、頑張りますので宜しくお願いします。趣味として、ゴルフやスノーボード(いずれも初心者です)などのスポーツにも励みたいと考えています。
歯科口腔外科医師   山裕司
 歯科口腔外科の高山裕司です。平成16年4月に新潟大学口腔外科に入局して今年で4年目になります。愛知県出身です。趣味はゴルフ(まだ100を切れず・・・)、バスケです。今回は医局からの出張という形でこちらに赴任させていただきました。まだ不慣れな部分もあり、ご迷惑をかけることがあるかと思いますが、一生懸命がんばりますのでよろしくお願いします。


連携医療機関のご紹介

包括的医療をめざしています

佐藤医院 院長 佐藤 眞

◎新潟労災病院勤務から
  開業してかなり経ちました。みなさんお元気ですか?開業している所は春日新田です。港に向かう国道350号の春日新田交差点から浦川原方面へ向かい、小町橋を渡った所です。開業以来電子内視鏡、電子カルテ、経鼻胃内視鏡など上越地域では初めての新しい技術を導入してきました。

◎得意な治療は
 口から肛門まで胃腸科が専門です。経鼻胃内視鏡、細径大腸内視鏡、電子直腸鏡など苦しくない検査を心がけています。ヘリカルCTによる肺癌、肝臓、膵臓などの検査、マンモグラフィー読影認定医として乳癌の検査などガンの発見,検診を得意としています。他に肛門疾患の外来手術、外傷などの外科的処置、生活習慣病の予防治療、認定産業医活動、寝たきりの人には在宅診療などを行っています。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医です。

◎心がけていることは
  1.近くで、いつでも、どんな病気でも診てくれる医院であること。2.小児から老人まで全科的医療に対処する。3.専門医との密接な連携をとる。4.病気の時も健康なときも継続して診る。5.十分な説明を行う。など患者さんが身近に接する医者として包括的な医療をめざし、新しい医学の習得と導入を心がけています。

◎労災病院に関して
 身内がお世話になった時、慣れた手つきでてきぱきと動くスタッフのみなさんに安心と信頼感、また爽快感すら覚え、「よく修練が行き届いている」といつも感心しています。どんな時間にでも紹介した患者さんには的確に対応していただき助かっております。

◎私の余暇は
 1年を通してのバードウオッチング。今はアカショウビン(当院のマスコットバード)の季節。患者さんから教えてもらう本格的な畑作。7月からいよいよ待ちに待った鮎釣りの解禁になります。空いた時間は心地よい川風に吹かれて能生川あたりで鮎を釣っています。

ホームページ佐藤医院 上越市検索

 

「みんなのひろば」

 泣き出しそうな灰色の空…… でも、しっとりと濡れた花たちは、とても風情がありますね。時々のぞく太陽はもう夏!花の色も派手になりました。私も負けずに、シェイプアップ!メイクアップ!イメージアップ!!

 散歩道  

 このコーナーが散歩道と言うことなので、私の散歩のことを話してみたいと思います。私は、たまの土日の休みには小学生の二人の子供を連れて散歩に出かけるのが最近の習慣になっています。残念ながら徒歩ではなく、自転車を利用したサイクリング兼散歩なんです。今年は平年に比べ暑い日が多く流石に風を受けながらではありますが、汗ばんでしまいますね。それでも子供達は元気なもので、あれこれ言いながらも自転車をこいでいる姿は微笑ましく見えます。  最近は近くの山(?)金谷山や春日山に、おにぎりとお茶(ちなみに私は泡の出る麦茶ですが・・・)を持って出掛けては山頂からの景色を眺めながら昼ご飯を食べて来ました。 子供達に発破をかけながらも山頂まで登り、周りの景色や新緑の美しさは普段見慣れているとは言え新鮮に見えてしまうから不思議です。これから夏休みになれば今度は虫籠を片手に散策することになりそうですよ。                 (I.K)

* お申込み・お問い合わせ   空き状況等をご確認の上お申し込みください。
医事課医事係 小松 025-543-3123  内線1233
* ドック・オプションのご案内
胃癌検診 胃カメラ 15,000円(経鼻内視鏡、経口内視鏡の選択が可能)
胃透視 10,000円
肺癌検診 CT 9,000円
喀痰細胞診 3,500円
子宮癌検診 子宮頚部細胞診・内診 3,500円 (第1・3・5の火曜日のみ)
乳癌検診 マンモグラフィ・触診 6,000円
前立腺癌検診 PSA測定 1,800円
骨粗鬆症検診 骨密度測定 3,600円 (エックス線検査による)

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