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COPDについて


内科医師  庄 子  聡

 皆さん、こんにちは。内科の庄子です。
 突然ですが、COPDという疾患をご存知でしょうか?このCOPD、非常にありふれた疾患であり、原因もハッキリしていますが、国民の認知度はイマイチの疾患です。今回はこのCOPDについて簡単にお話させて頂きます。

 現在、40歳以上の日本人のうち、実に10%弱がCOPD患者であると推定されています。これは気管支喘息、睡眠時無呼吸症候群と並んで、日本人の3大呼吸器疾患と言ってよい状況です。しかし、国民の認知度は非常に低い・・。内科医としては、是非この疾患を広く啓蒙したいところです。

 では、具体的にはCOPDとはどのような疾患なのでしょうか?主な原因はずばり「タバコ」です。最近はわかりやすく伝えるために、「タバコ肺」と言うこともあります。
 喫煙によって肺に炎症が起こり、空気の通り道である 気道が狭くなります。結果として空気の出し入れが難しくなり、少し動くとすぐに息切れするようになり、咳や痰が続きます。

 皆さんは、「タバコ=肺がんのリスク」というイメージがあると思います。もちろん間違いではないですが、「タバコ=COPDのリスク」とも皆さんに理解して頂きたいです。タバコを吸っていた、ただそれだけが原因で、例えば定年退職後、さぁ第二の人生だという時に少し動くとすぐ息切れする、いつもごぼごぼと痰が絡んでいる・・・では、もったいないと思いませんか?

 喫煙で一度失われてしまった肺の機能は、残念ながら劇的に改善することは出来ません。ただし、ある程度の改善、または進行を遅らせることは出来る、治療可能な疾患です。検査も痛み・危険性を伴わないものです。喫煙者の方で(今は禁煙していても、過去に喫煙歴がある方は同様です!)、「ちょっと階段を上ると、すぐ息が切れるな・・」、「いつも痰が絡むんだよな・・」、「どうも風邪をひきやすくて・・」という方は、お気軽に外来に足を運んでみて下さい。
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