ろうさいニュース

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感染対策チーム(ICT)について


外科部長  伊達 和俊

毎年のようにインフルエンザの流行が見られ、当院でも入院患者、医療者の感染が確認されております。この冬から春にかけて、入院患者さんへの面会を原則禁止とさせていただいていたのも、上越地域のインフルエンザの発生状況を保健所からの情報をもとに、面会に来てくださった方のなかにインフルエンザの感染者が含まれている可能性がある間の対応でした。皆さまにはご協力いただきありがとうございました。

このようなインフルエンザを含めた感染症に関して、対策を立てている感染対策チーム(ICTといいます)が当院にはあります。今回はそのICTについてお話しさせていただきます。

ICTの仕事の一つに抗菌薬の管理があります。感染症の治療には抗生剤を代表とする抗菌薬を使用します。しかし、この抗菌薬を使用していると薬剤耐性が起こる可能性があります。つまり、抗菌薬が効きにくい耐性菌が出現することがあり、難治性になる可能性があります。こうなると、入院期間は長期化し医療費も膨れ上がります。さらに周囲の患者さんにも広がっていくことがあります。抗菌薬は降圧剤等の一般の薬と違って、投与された薬で耐性菌を誘導し周囲に広げてしまうかもしれない、といった点で周囲の環境をも変えてしまう薬ともいえます。こういった問題に対応するため院内で活動しているのがICTです。このチームは医師、看護師、薬剤師、検査技師、リハビリ技師、事務職員等多職種のメンバーで構成されており、耐性菌の出現状況、抗菌薬の使用状況を確認し有効な使用状況であるかをチェックしています。又、医療者の手洗い状況、施設内の衛生環境等をチェックし改善を図っております。さらに、上越地域の他病院、施設との連携も始まっており地域全体での改善を目指しております。冒頭に挙げたインフルエンザの感染の広がりを食い止めるための規制もICTと各部署が検討を重ねて広報させていただいたものです。病院内には手術後や抗がん剤等で免疫力の低下した感染に弱い患者さんが多くいらっしゃいます。そういった患者さんを新たな感染から守るために今後も皆さまにお願いをすることがあるかもしれませんが、その際にはご協力をお願いします。

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