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食塩消費を減らし、健康に


主任管理栄養士  川田 智美

2005年から厚生労働省が5年ごとに「食事摂取基準」を発表しています。2005年以前は「栄養所要量」という名前で発表していました。私たち栄養士は病院食の献立を作る際の目安として「食事摂取基準」を使用しています。

この「食事摂取基準」では、改定ごとに1日の食塩摂取量の目安が減り、2015年版では女性7g、男性8gとなりました。そして、高血圧学会では高血圧の人は1日6g未満が望ましいとしています。しかし、欧米諸国やWHO(世界保健機関)の目標値は健康な人でも1日5gだそうです。世界には1日1g程度の塩分摂取で高血圧もなく、年をとっても血圧が上がることがない民族がいることもわかっています。2011年秋、国際連合は「生活習慣病対策のために世界全体がとるべき5つのアクション」を発表しました。その中で1位のたばこに次いで2位が食塩で「食塩消費をおさえるためのマスメディア・キャンペーンと食品企業による自発的な活動」とされています。

私たち栄養士が病棟を回っていると「病院食だから味が薄いね。」と言われることが多くあります。病院食でも減塩食の方以外は、塩分8g程度を目安に食事を提供しています。病院食を薄いと感じる方は、普段の味付けが濃いためだと思われます。自治体や食品業界でも減塩活動が進み、食料品売り場でも減塩を売りにしている商品も増えてきています。

ぜひ、世界的な減塩ブームに乗って、減塩してみませんか?

栄養管理室では、入院患者様を対象に毎月第2、第4火曜日に減塩教室を開催しています。減塩教室では味覚チェックもおこなっています。興味を持っていただいた方は、栄養士までお尋ねください。また、個別指導もおこなっています。主治医の指示が必要ですので、受診の際に看護師にお尋ねください。

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