「ロコモ」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
ロコモとはロコモティブシンドローム(運動器症候群)のことで、骨・関節・筋肉などの運動器の障害により、歩行や日常生活に支障を来している状態のことです。厚生労働省の調査より、要支援・要介護となる原因の第1位は運動器の障害となっています。また、健康寿命(健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間)は平均寿命(男性80歳、女性87歳)に比べ10年前後短いと報告されています。健康寿命を延ばすためには、ロコモの予防が重要となります。
そこで、ロコモかどうか気づくために簡単なロコモチェックがあります。①家の中でつまずいたり滑ったりする、②階段を上るのに手すりが必要である、③15分くらい続けて歩けない、④横断歩道を青信号で渡りきれない、⑤片足立ちで靴下が履けない、⑥2kg程度の買物をして持ち帰るのが困難である、⑦家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である、の7つのうち1つでもあてはまればロコモの危険性があるとされています。1つもあてはまらなかった方でも、50歳をすぎると筋肉量は急激に低下すると言われており、運動器の障害は50歳以降に多発しています。また、女性は閉経後に女性ホルモンの分泌の低下から骨粗鬆症になりやすく、骨折のリスクが高まり、日常生活に支障を来す状態になる恐れがあります。
では、ロコモを予防するためにどうしたら良いのでしょうか。それは、『適度な運動の継続とバランスのとれた食事』です。今回は運動についてお話します。ロコモ予防のトレーニング例として「スクワットと片足立ち保持」があります。つかまりながら行なってもいいですし、スクワットは椅子からの立ち座りでも良いです。これらの運動は筋力、バランス能力、骨を丈夫にするといった効果があります。なかなか運動を継続できないといった方には、日常生活でのちょっとした工夫から始めてみてください。「掃除や洗濯はキビキビと。家事の合間やテレビを見ながら筋トレやストレッチ。歩幅を広くして、速く歩く。階段を使う。ラジオ体操を行なう。地域の行事や体操に参加する。」などあります。
最後になりますが、当院では骨粗鬆症予防外来を行なっています。骨粗鬆症に関する相談、検査の他に詳しいロコモチェック、運動指導などを行なっています。どうぞお気軽にご相談ください。
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