昨年秋に行われた市民公開講座「骨粗鬆症について〜最近の知見と当院の取り組み〜」は300名を超す地域住民の方々にご参加いただいたのは記憶に新しく、皆さん骨粗鬆症についてとても興味をもたれているのではないでしょうか?今回は骨粗鬆症の診断をする上で必要な装置「骨密度測定装置」のお話をしたいと思います。
今まで骨密度測定検査を受けたことがある方はいらっしゃると思いますが、ではどのような測定法で検査をしましたか?骨密度測定には様々な方法があります。超音波法は踵骨(かかと)に超音波を当て超音波が骨中をどれくらいのスピードで通るかを測る方法です。被ばくがないため検診等で用いられ、簡便に測定できるため皆さんこちらの方法で測定されたことが多いのではないでしょうか。MD法は手とアルミニウム階段をレントゲン写真に写し、それぞれの陰影濃度を比較して骨密度を測定します。DEXA法は2種類の異なるX線を照射し、骨と軟部組織の吸収差率の差で骨密度を測ります。主に腰椎や大腿骨頸部(股関節)や橈骨遠位端(手首)を測定します。
超音波法は簡便に検査できますが骨粗鬆症の診断には至らず、またMD法は骨粗鬆症の診断は可能ですが治療効果の判定は難しく適していません。DEXA法は多少の被ばくはありますが(胸のレントゲンと同等)、骨粗鬆症の診断が可能で、継続した治療の効果を判定することがきるため、最も優れていると言われています。
そして骨粗鬆症で引き起される骨折の中で最も頻度が高いのが椎体骨折で、日常生活動作が低下し寝たきりなどの生活の質が落ちてしまう危険性があるのが大腿骨頸部骨折です。骨粗鬆症の診断には腰椎と大腿骨頸部の測定が望ましいとされており(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版)、DEXA法で測定した大腿骨頸部の骨密度は、あらゆる部位の骨折のリスクの評価に優れていると言われています。
当院では2月末に骨密度測定装置(DEXA法)が新しくなり、以下の写真の「Horizon」という装置が導入されました。旧装置から過去のデータを引き継いでいますので以前に検査をされている方であれば過去の検査履歴も提出可能です。もし骨密度の検査を希望するのであればDEXA法で測定してみませんか?
当院には骨粗鬆症予防看護専門外来があります。骨粗鬆症マネージャーが対応しますので、お気軽に整形外来までお問い合わせください。
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