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一般撮影(レントゲン)の変遷


診療放射線技師  荻原 義貞

昔のレントゲン撮影はフィルムを用いるものが主流で、撮影後に現像処理を行い、画像を得ていました。当時は現像にも時間がかかり、現像トラブルや撮影時のX線量の最適化がうまくいかないことによる再撮影に頭を悩ますこともありました。

その後、コンピューテッドラジオグラフィー(以下CR)が登場しました。CR装置はフィルムの代わりにイメージングプレート(以下IP)を用います。ここに被写体を透過したX線の情報を記憶させ、読取装置でスキャンして画像を得ます。レントゲンフィルムにあったような経時的な画像の劣化は全くなく、画像情報システムによって院内のどこからでも目的の画像を閲覧できるようになりました。また、撮影後に画質がさらに良くなるように濃度や画像処理を調整できる利点があり、X線量の最適化に悩まされる場面も少なくなりました。しかし、CRではIPを撮影枚数分持ち歩く必要があり、スキャン時間もかかるため、検査効率という点ではフィルムを現像していた時代とあまり変わりありませんでした。

近年は、新たにフラットパネルディテクター(以下FPD)というものが主流になりつつあります。連続した撮影が可能となり、多くのフィルムを持ち運ぶ必要がありません。読取装置でスキャンする必要はなく、撮影後約1秒で画像が確認できます。検出器はそのままで約5秒後には次の撮影が可能となります。CRと比べてFPDは感度が高く、被写体厚の厚い部分のわずかな濃淡の差を表現することが可能で、被曝の低減も期待されています。当院でも、全面FPD化の先駆けとして2017年11月より胸部専用FPD装置が導入されます。今後、FPD化が進むことで検査時間が大幅に短縮され、迅速に画像を提供できるようになります。

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