血液型とは、主に赤血球の膜表面にある抗原の特異性の違いによって区別される遺伝形質で、親子の間でメンデルの法則に従って規則的に遺伝することが原則で疾病や移植などの例外を除けば、年齢や環境などによって一生変わりません。
病院で検査をする血液型と言えば、ABO、Rhが思い浮かぶと思います。手術や輸血を予定する患者さんが対象となります。
ABO血液型は1900年Landsteinerによって発見された最初の血液型です。この功績によりLandsteinerは1930年ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
Rh血液型は1939年LevineとStetson 、1940年Landsteiner とWienerによって報告されました。
その後も次から次へと新しい血液型が発見され、1954年Daussetらによって血小板抗原(HPA)、1959年Van Loghemらによって白血球抗原(HLA)も発見されました。
現在、血液型の種類は約400種といわれており、全てが完全に一致する人は地球上に一卵性双生児以外ではいないといっても過言ではありません。
よって、法医学では親子鑑定、血痕からの個人識別などに、人類遺伝学では染色体上の遺伝標識として用いられ、また血液型の分布と頻度は人種や民族間の関連を探る人類学上の手がかりとなっています。
日本人の場合、ABO血液型の割合はおおよそA:O:B:AB = 4:3:2:1、Rh(-)は約0.5%(1/200人)で白人の約15%と比べると相当低い頻度となっていますので、某海外TVドラマの様に「O(-)
4単位」と言われてもすぐには準備できません。
近年、IPS細胞技術を用いた培養人工血小板および赤血球の研究が進められています。臨床応用には克服しなければならない問題があるようですが、近い将来、血液型に関係なく誰にでも使用可能な万能血液ができるかもしれません。
最後に血液型と性格の関係についてですが両者には「科学的根拠がない」が通説です。信じるか信じないかはご自由ですがブラッドタイプハラスメントには充分ご注意ください。
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