最近では、有名人の方々の乳がんの公表により、乳がんに対する報道も増え、マンモグラフィという言葉を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?今回は、マンモグラフィについてお話をしたいと思います。
マンモグラフィとは、乳房専用のX線撮影のことです。乳がんをはじめ、乳房にできるさまざまな病気を見つけることができ、触診では発見が難しい小さな病変を描出することができます。原理は、乳房にX線を当てそのX線の吸収の差を写し出すものです。乳房は全体にやわらかい組織でできているため吸収の差が少なく、専用のX線撮影装置を使用する必要があります。
撮影のしかたは、通常、乳房を片方ずつ、体に対して上下方向と斜め左右方向の2つの方向を、透明の板で乳房を薄く伸ばして撮影します。痛そう…と思われる方もおられると思いますが、この『乳房を薄く伸ばす』ということが、マンモグラフィではとても重要です。なぜかというと、立体的で厚みのある乳房は、そのまま撮影すると、乳腺や脂肪、血管などの重なりで、乳房に変化があっても、正確に写し出せないことがあるからです。薄く伸ばすことにより、乳房内部の様子を鮮明に写し出すことができ、さらに、検査に使用されるX線量も少なくすることができます。痛みの感じ方は人により様々ですが、生理開始から一週間後位の乳房の柔らかい時期に検査を受けると、痛みが和らぐと言われています。
また、マンモグラフィは、乳がん死亡率を減らす効果があると科学的に証明された唯一の乳がん検診方法です。今や、乳がんは、日本人女性の11人に1人はかかると推定されていて、女性のがんの中では最も患者数が多くなっています。乳がんは、30代から増加し始め、発症のピークは40代後半となっています。厚生労働省では、40歳以上の女性を対象に、2年に一度マンモグラフィによる乳がん検診を推奨しています。
乳がんは早期に発見し、適切な治療を受ければ、ほぼ完治すると言われています。早期発見につなげるためにも、定期的なマンモグラフィによる検診をお勧めします。
当院では、『マンモグラフィ検診施設画像認定』を取得しております。検査を担当しているのは全て女性で、担当者全員が『検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師』を取得しております。日頃より、装置の精度管理、撮影技術・画質の向上に努めておりますので、ご安心して、当院のマンモグラフィをお受けください。ご不安な点、検査について気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
当院では、がん検診コース(乳がん)で、マンモグラフィを受けられますので、ぜひ、ご利用ください。お申し込みは、医事課ドック検診担当までお問合せ下さい。
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