皆さん、NSTを聞いたことがありますか?
Nutrition Support Team の略語で、栄養サポートチームのことをいいます。近年多くの病院でNSTが活動しており、栄養管理が特に必要な方へのサポートを行っています。当院のNSTメンバーは、医師・歯科医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・理学療法士・言語聴覚士・事務職・管理栄養士で構成されています。すべての疾患は栄養療法をもとに治療されるべきであり、その治療の根底を支えています。栄養状態が悪いと治療の効果も下がってしまう場合があり、入院期間も長くなる可能性もあります。NSTでは口から食べることを最優先とし、必要に応じて静脈栄養や経腸栄養の使用も検討します。
さて、実際の栄養サポートとはどんなことをしているのでしょうか。当院では、毎週1回カンファレンスを行っています。どんな病気で入院し、今現在の状況はどうなのかをスタッフ皆で共有します。栄養状態を改善するための方法を検討し、目標(ゴール)を設定します。それぞれの職種が専門性を活かし改善点を模索できることが、チームとしての強みです。その中で管理栄養士は、必要栄養量を計算し、摂取量からの栄養量の過不足を算出しています。改善に向けて、食事内容の検討や補助食品の選択などを提案します。最近の補助食品は、少量でも高カロリーのものが多く出ています。以前は甘い味が主流でしたが、甘くないタイプも増えてきました。形状も液体から半固形など様々で、その方に適したものを提供したいと思っています。多職種でのカンファレンスの後は、回診を行います。ベッドサイドでは検討した内容を本人に提案し、一緒によい方向へ改善することを目指しています。以上の流れをくり返しているのが、当院のNSTです。時には思うように進まない事もありますが、順調に栄養状態が改善し目標を達成できることもあります。
今年も一年元気に過ごせるように、まずは毎日の食事から見直してみませんか?栄養状態が気になる方がいましたら、病院スタッフにご相談下さい。
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