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義歯にご不満はありませんか?


歯科口腔外科部長  武藤 祐一

日本では全ての年代で年々上下顎に1本も歯がない患者さんは減少していますが、加齢に伴い、その比率は増加しており、高齢人口が増加していることを考えますとその総数は依然多いと考えられます。

特に下顎義歯は顎堤(義歯を載せる土台)が強く萎縮してる場合が多く(写真左)、通常の総義歯では咀嚼時動きが大きいため、安定した噛み合わせが得られないことが多く、患者さんの満足度はかなり低いと報告されています。

当科では顎堤の吸収が強く、義歯が安定しない場合、下顎に2本のインプラントを植えています。術後3ヶ月くらいでインプラントに雄ねじ、義歯に雌ねじを入れて、義歯を新しくします(写真右)。義歯をつけるときにはカチッという感じで入り、安定した状態で外れることなく、食事が可能となります。写真は術後下顎インプラントと義歯の内面を示します。



通常の義歯では安定が望めないような平らな顎堤にインプラントを用いた場合、95%の患者さんで満足が得られ、義歯が安定することにより咀嚼能率は通常の義歯より良好になると報告されています。インプラントの成功率も5年以上の経過観察で94.5~100%であり、良好な成績が得られています。清掃も雄ねじと義歯を綺麗にしていただければよく、比較的簡単であり、介護が必要になった場合も維持は容易と思われます。また手術が怖いとおっしゃる方が多いと思いますが、当科では局所麻酔に静脈麻酔を併用しておりますので、寝ているうちに手術は終わってしまいますので、この麻酔ならもう一度手術してもいいという患者さんが多いです。料金は自費治療になりますので、下顎では義歯制作を含め、全部で55万円くらいかかりますが、維持費は少なく、長期的に安定してお使いいただけます。もちろん上顎もやっております。ご希望があれば当科にお気軽に受診していただければと存じます。

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