日本国内において、透析治療を受けている方は約34万人であり、新潟県では約5,200名が54の施設で透析治療を行っています。(2018年末現在)
当院では28床の血液透析機器があり、約80名の方が透析治療を行っています。
腎臓の機能には、体内の不要な水分や老廃物を尿として排出したり塩分やカリウムなどの電解質と呼ばれる物質の濃度を調整したり、カルシウム・リンを中心とした骨代謝、血圧を調節するホルモンや造血ホルモンの産生など、内分泌機能などがあります。この腎臓が機能しなくなると(腎不全状態)、体内に老廃物や不要な水分が溜まっていき重篤な状態になります。
こうした腎不全状態の治療方法には腎臓移植と透析治療があり、透析治療には血液透析と腹膜透析の2種類があります。
血液透析にはダイアライザー(人工腎臓)と透析液・透析監視装置を使用します。ダイアライザーとは、プラスチックでできた円筒状をしており、筒の中に数千~一万本程度の細い管(中空糸膜)が入っていて血液は管の中を通り、透析液は管の外を流れる仕組みになっています。透析液とは体に必要な電解質成分が含まれた液体で、体内の老廃物はこの中に流れ込みます。また、透析監視装置は、血液を体外に取り出すための血液ポンプとダイアライザーに透析液を流すポンプがあり、流量の調節や温度、圧力の監視を行う装置になります。
一般的に、動脈化した静脈に針を2本刺し、血液を体外に取り出します。そして、ダイアライザーの中空糸膜を介して余分な水分や老廃物を取り除き、きれいになった血液を再び体内に戻します。中空糸膜には目に見えないほどの非常に小さい穴が開いていて、この穴を通して老廃物の除去や必要物質の補充が行われます。
これを週3回、1回あたり4〜5時間程度行います。血液透析は腎臓機能の一部を補うもので、完全な代行できません。食事管理や薬による代替えも必要です。治療日以外の管理も適切に行うことが重要です。
周知のとおり、2020年4月より、当院において常勤腎内科医師が不在となりました。しかし、血液透析療法を受けられている患者様がいらっしゃる限り、透析室スタッフは近隣病院、新潟大学の派遣医師の力をお借りしながら、より良い透析治療を目指していきたいと思っています。
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