●健康食品とは
テレビ、雑誌、新聞、インターネットなどで健康食品の情報を毎日のように目にします。健康志向の高まりもあり利用している方も多いと思いますが「健康食品」には、法律上の定義がありません。一般的には、通常の食品よりも「健康によい」、「健康の保持増進に役立つ」などの表現で販売されているものをいいます。また「サプリメント」は、ある成分が濃縮されて錠剤やカプセルなど通常の食品とは違う形をした製品をいいます。
●健康食品の分類
私たちが口からとるものは、食品と医薬品(医薬部外品を含む)に分けられます。「健康食品」といわれているものは、「おなかの調子を整えます」とか「脂肪の吸収を穏やかにします」など、国の制度に基づき機能性等を表示できる「保健機能食品」とそれ以外の「その他健康食品」に分類されます。
●健康食品と薬の違い
「その他健康食品」は、機能性等を表示することができないため機能性等の効果を暗示した魅力的なキャッチコピーや「利用者の体験談」などを使って間接的にアピールしているものが散見されます。有名人が出ているCMをみると健康食品が自分の病気の治療に使えるように思ってしまいがちですが、「人の病気の診断、治療または予防に使用されることが目的であるもの」は医薬品だけです。「健康食品」と「医薬品」は全く別物であり、健康食品は病気の治療に使えないということを理解しておく必要があります。「その他健康食品」においては科学的な安全性・有効性の研究データが少なく病気の人を対象とした安全性は検討されていませんし、たとえ特定保健用食品(トクホ)や「医薬品と同じ成分含有」と謳う機能性表示食品であっても、薬のような効果は期待できません。そもそも健康食品は病気の人に向けたものではありませんので、病気の人にも使用を勧めている健康食品には注意が必要です。
●健康食品と医薬品との併用
薬と健康食品を同時に摂取すれば、健康に良く病気が早く治ると思われるかもしれませんが、薬との併用による安全性はまだ確立されておらず、成分によっては薬の作用が弱くなったり、副作用が強まるといった健康被害も多数報告されています。医薬品を服用している方は、安易に健康食品を利用することなく、医師・薬剤師などにご相談ください。
◆相互作用の一例
●健康食品を利用するにあたって
◆健康食品を買う前に「本当に必要かどうか」考えましょう。
「健康食品」のみを摂っていても健康にはなれません。健康を保ち、増進させるには健全な食生活、適度の休養、適度な運動の3つのバランスをとることが大切です。「健康食品はそもそも食品なんだから薬と違って副作用はない」と考える方もいらっしゃると思いますが、過剰摂取すればアレルギーや肝障害等の健康被害が生じることもあります。特にサプリメントは摂取しやすい形状のため注意が必要です。
◆安全性や有効性に関する情報をチェックしましょう。
信頼できる情報源として、国立健康・栄養研究所のサイト「健康食品の安全性・有効性情報」や厚生労働省のサイト「食品の安全性確保に関する情報」などがありますのでご活用ください。
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