ろうさいニュース

このウィンドーを閉じる

放射線と健康影響を考える際に


放射線診断科部長  島矢 早苗

CT検査を中心に放射線被ばくが増大した今日、健康影響が懸念されます。
私たちはいつも自然界から放射線を浴びているわけですが、自然なら安全で人工だと危険というわけではありません。健康リスクにはさまざまなものがあります。例えば喫煙、飲酒、肥満、運動不足、偏食などです。

放射線のリスクを考える上で大切なのは線量、どれだけ浴びるかということです。わずかな線量ならリスクもわずか、それ以上に利益があれば有益な検査といえるのです。

ここで利益とは、検査結果によって病気が診断され治療の予定がたてられる、健康上の利益を指します。また治療効果を知ることで、さらにその先の治療を選択することができます。情報が増えるだけでは利益とはいえません。

不利益とは、発がんリスクのことです。放射線を使用する検査は、不利益を考慮したうえで利益がそれを上まわる場合にだけ実施を許されるので、その適応は慎重に検討されなければなりません。患者様には不利益を理解していただいた上で誤解のないように、必要な検査が忌避されることのないように説明をさせていただきます。

CTの被ばく線量は約10~20ミリシーベルト、当院では常に必要最低減の被ばくとなるよう取り組んでいます。患者様に安心して検査を受けていただけるよう、これからも継続的に改善していきたいと考えます。

このウィンドーを閉じる