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骨折する前にできること


病診療放射線技師  吉田 悠理子

骨は見た目に何の変化はなくても、常に吸収と形成を繰り返し、骨の成分は一定期間で入れ替わっています。この吸収と形成は連携しており、等しくなるようバランスを取っていますが、このサイクルに女性ホルモンが大きく関係してきます。

女性ホルモンであるエストロゲンは、骨の代謝の調節をしており、骨が吸収されすぎないように防いでくれる役割を持っています。ところが、閉経が近づくにつれて分泌量が低下してしまうため、形成される骨よりも吸収される骨が多くなって、骨が徐々にスカスカになり、<骨粗しょう症>になりやすくなります。

骨粗しょう症は、ダイエットや偏食、運動不足、日光不足、喫煙や飲酒、老化といった様々な生活習慣も原因となりえますが、この女性ホルモンにより、女性の方が骨粗しょう症を発症しやすいと言われています。見た目にはあまり変化が無いため、何年にもわたって気付かれることなく、ゆっくりと、しかし着々と進行しています。そして、特別な原因もなく骨折してはじめて認識されることが多いです。さらに、骨が弱っているためなかなか元に戻らず、将来の日常生活に支障をきたすかもしれません。そこで、骨折予防の一つとして、まず自分の骨について知る方法をご紹介します。

皆さんは自分の骨密度をはかったことがありますか?骨粗しょう症の診断をする検査に、骨密度測定という検査があります。この検査では、「最も骨が頑丈な20代」と、「自分と同じ年代」に対して、自分の骨密度がどれくらい違うかを比較することが出来ます。また、過去の記録も引き継いでおりますので、以前に検査をされている方であれば、骨密度の移り変わりをグラフにして出力しています。当院では、ガイドラインで推奨されている「腰椎」と「大腿骨頸部」を測定し、検査自体は20分程度で終わります。生活習慣予防コースから予約できますので、試しに一度測定してみてはいかがでしょうか!

他の検診に追加して受診することも可能ですので、人間ドックやがん検診に来られる際にぜひ検討してみてください。婦人科検診の一環としても骨密度検査をお勧めします。骨折を起こす前の段階で、骨粗しょう症は始まっています。

検査だけではなく、何か相談したい事がありましたら骨粗鬆症予防看護専門外来もありますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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