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コロナ禍の夏を健康に過ごすために


病院長  入江 誠治

長引くコロナ禍での2度目の夏。行きたいところへも行けず、会いたい人にも会えず、したいこともできないなど、我慢の連続にうんざりしている方も少なくないでしょう。暑さと自粛疲れの中、少しでも健康に過ごすコツを考えてみましょう。
1年半にも及ぶコロナ自粛は私達の健康に思わぬ悪影響を与えています。

今回は、
① 外出自粛などで身体活動が低下することによる筋肉量の減少
② 対人関係・会話の減少による口腔機能の低下
の2点を取り上げます。

まず①の筋肉量の減少は、つまづき易さ、転倒、骨折、寝たきりの要因となります。さらに意外なことに、熱中症の原因にもなります。
筋肉は体重の75%もの水分を貯えており、筋肉量の低減は体内の水分量の減少に繋がり、脱水状態や熱中症のリスクを高めます。
筋肉量を保つためには、食事から蛋白質、ビタミンD、炭水化物をバランスよく摂取することと、スクワットなど簡単に続けられるフレイル予防体操が効果的です。涼しく安全な場所で転倒に注意しながら行って下さい。

次に②の口腔機能の低下についてです。
友人、知人、親族と会えなくなることで会話が減ると、口の周囲の筋肉が衰え、咀嚼・嚥下機能にまで影響が及びます。食物をしっかり噛んで飲み込むことは、確実な栄養吸収や誤嚥性肺炎予防にも重要です。
口の周囲の筋力アップにはブクブクうがい、ガラガラうがいをそれぞれ10秒ほど続けるだけで効果があるとされています。「あいうべ体操」や「パタカラ体操」なども推奨されています。是非チャレンジしてみて下さい。

コロナワクチン接種も徐々に進み、2回接種済みの方もかなりいらっしゃるでしょう。しかし社会全体にワクチン効果が及ぶのはもう少し先のこととなります。
今、感染拡大中のデルタ株は、その感染力の強さと重症化のスピードにおいてかなりの脅威となっています。ワクチン接種済の人への感染の報告もありますので、今まで通りのマスク着用、手指衛生、3密回避は続けて下さい。特に、閉め切った冷房使用中の部屋で複数人で過ごす場合には、意識的な換気を心掛けて下さい。コロナ禍の夏は今年が最後になるよう、自分自身、家族、身近な仲間を感染と熱中症から守りながら、暑い夏を乗り切りましょう。

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