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健診分野における放射線被ばくについて


健康診断部長  島矢 早苗

米国や日本では医療被ばく線量が多く、しかも増加し続けています。被ばく線量の増加と健康影響/被害、発がんなどについては多くの研究が進められていますが、医療被ばくはその影響が安全範囲内でなければなりません。しかも健診は健康な方を対象に毎年実施されることから、線量は必要最小限であることがもっとも重要です。

人間ドックでは、胸部のX線撮影はCT検診を行うなら省略可能です。CTでは単純写真よりはるかに詳細な情報が得られる利点を生かし、可能な限り線量を低くして撮影します。食道・胃の造影検査では透視時間を最小にする、内視鏡検査と交互に行うなどが考えられます。

検査の実施間隔については年齢、喫煙歴、職歴等からも検討する必要があります。若年者では基本的に疾患り患のリスクが低いので、項目を絞り実施間隔をあけるなどして対応します。

遺伝子検査でがんのリスクや超早期発見が可能になりつつありますが、陽性と判定されてもその小さな異常を画像検査で発見することは現状では極めて困難で、今後の課題です。

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