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透析療法について


臨床工学技士  横田 大地

慢性疾患により日々の通院や投薬を繰り返している方は大勢いらっしゃると思いますが、ケアの頻度の高さや処置の複雑さの代表的な治療が人工透析です。

日本全体では約34万7,000人の透析患者がいます。これは国民の360人に1人にあたり、患者数も年々増加している現状です。

腎臓には体内の毒素を分解し、余分な水分を尿として排泄することで、体内を常に最適な環境にする機能があります。しかし、腎臓の機能が10%以下に落ち込む重度の腎不全になると、自然の治癒力で血液を浄化し、血液内の老廃物や余分な水分を尿として排泄することが不可能となります。そのため、血液を体外に取り出し腎臓の代わりとなる機械で浄化させた後、きれいになった血液を再び体内に戻す治療が必要となり、その治療が人工透析になります。

人工透析を行う患者さんを悩ませる大きな要因として、処置の頻度と1回の治療における治療時間の長さです。人工透析は基本的に週3日のペースで行うことが多く、1回の治療に必要な時間も4~5時間もかかるため、仕事や家事などの日常生活が大きく制限されてしまいます。

そのような中、少しでも患者さんの負担を減らし、プライベートを充実できるよう、治療法も幅広いものになってきました。まだ、人工透析は通院によるものが一般的ですが、自宅に透析装置を設置する在宅透析を扱う施設も出てきました。感染症予防や機器の正しい取り扱いなど、本人はもちろんのこと、家族や訪問する看護師・臨床工学技士も正しい知識の習得や自己管理の徹底が必要となりますが、時間の制約が無いなど在宅で行うメリットも大きいといえます。

また、就寝中に実施するオーバーナイト透析では、昼間の時間を有効に使うことが可能で、治療による精神的なストレス軽減や仕事に影響が出にくくなるメリットがあります。実際のところ、在宅透析やオーバーナイト透析は実施できる医療機関が限られており今現在上越地域で行うことはできませんが、少しでも患者さんの負担を和らげ、QOL(生活の質)を向上させるためにも、さらなる普及が望まれます。

透析による治療時間や食事面等の制限は大きく、患者さん自身がストレスを抱える事はありますが、治療に前向きになるためにも、透析治療に関わる我々スタッフでサポートを行っていきます。

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