全館禁煙に向けて
院 長 酒井邦夫
当院もいよいよ来年の4月1日をもって全館禁煙とすることになりました。“たばこの害”については本紙でも再三取り上げておりますが、本稿では再度この点をご確認いただいたうえで、わが国の禁煙対策の概要をご紹介し、当院の禁煙対策についてのご理解とご協力をいただきたいと存じます。
1. たばこの害の再確認
たばこの煙には、強力な発がん物質や一酸化炭素、ニコチンなどの有害物質がたくさん含まれているために、いろいろな病気の原因となります。これまでの多くの疫学研究等によって、たばこが、がん、心臓病、脳卒中、肺気腫、喘息、歯周病など数多くの病気の原因となることが判明しています。たばこが原因で死ぬ人は、わが国では年間10万人以上に達すると推定されています。交通事故の10倍以上のリスクです。
肺がんや喉頭がんは、半分以上がたばこによって発生するといわれています。がん全体でみても20〜30%は、タバコが原因と推定されているのです。
たばこの害は、吸う人だけでなく、周囲の人にも及ぶことに注意しましょう。たばこは他人様にも大変な迷惑をかけているのです。他人のタバコの煙を吸わされること(受動喫煙)によって、わが国では年間2万人近い人が死亡しているとの推定もあります。
2. わが国の禁煙対策
平成2年、紙巻たばこの包装にニコチン・タール量並びに「あなたの健康を損なうおそれがありますので、吸いすぎに注意しましょう」という注意表示が義務付けられました。
平成14年8月、健康増進法が公布されました。その第25条では、「学校、病院等、多数の者が利用する施設の管理者は、利用者の受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない」、と規定されています。
平成16年3月、「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が閣議決定され、国会の承認を経て、平成16年6月わが国は同条約を受諾しております。この条約は、たばこの消費等が健康に及ぼす悪影響から、現在および将来の世代を保護することを目的とし、たばこの規制に関する国際協力を定めたものです。平成17年2月、条約発効要件である40カ国が受諾したために、多数国間条約として発効しております。
平成18年度の診療報酬改定で、禁煙治療に保険が適用されました。ただし保険診療のできる医療機関には、敷地内禁煙を実施していることなどの厳しい条件があります。厚労省研究班は、禁煙指導の推進によって、喫煙率は今後15年間で男性では47%から26%に、女性では11%から9%に下がると試算しています。これによって喫煙が原因となる肺がん、心筋梗塞、脳卒中などが減少するために、15年後の医療費は1,846億円以上抑制できるとみています。
3. 当院の禁煙対策
上記の国の一連の禁煙対策に呼応して、当院でも禁煙対策を進めてまいりました。
平成15年1月1日をもって、全病棟の喫煙コーナーを廃止し、病棟は全面的に禁煙といたしました。隠れて吸う人がいるのではないかとの懸念の声もありましたが、幸い皆さまのご協力により、これまで問題となる事例はみられておりません。
平成16年8月より、毎週1回の禁煙外来を開設し、禁煙を決意した人が、無事に禁煙に成功するよう、サポートしています。かなり高い禁煙成功率を達成しております。
さていよいよ、来年4月1日からは全館禁煙です。病院本来の病者にやさしい、きれいな環境を目指すことになります。外来1階の喫煙室は廃止いたします。外来正面玄関および救急入り口にある喫煙コーナーも撤去いたします。当院を利用される喫煙者の皆さまには、なにとぞご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
禁煙したいのだがなかなか実行しがたいと思っておられる方は、是非一度禁煙外来を受診してください。喫煙は、単なる個人の嗜好ではなく、「ニコチン依存症」という立派な病気なのです。本人の意志だけで禁煙に成功するのは至難のわざです。禁煙外来で、医師の指導のもとで、ニコチンパッチを適切に使いながら挑戦すれば、必ず成功するはずです。当院の禁煙外来は現在は自費診療ですが、来年度早々に保険診療になる予定です。お気軽にご利用ください。
よろしくお願いします!(新任医師自己紹介)
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呼吸器外科副部長 宗 哲哉
9月1日より西川先生の後任として勤務させて頂いております。福岡県出身で平成9年に産業医科大学を卒業しました。大学病院や済生会福岡総合病院で外科全般を修練後、同大学大学院に入学し「肺癌患者における抗腫瘍免疫応答」をテーマに基礎研究を行い平成17年に大学院を卒業しました。同大学助手として約1年半勤務した後、この地に参りました。今まで福岡以外で働いたことがなく不慣れな事が多いと思いますが精一杯頑張ります。宜しくお願いいたします。
外科医師 上原智仁
9月1日より楠田先生の後任として、外科に勤務することとなりました。千葉県出身で、平成14年産業医大卒業しました。慣れないこともあり、多々皆様にご迷惑をおかけすることと存じますが、宜しくお願い致します。
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看護師募集!
当院では看護師を募集しています。来年3月に学校を卒業される方、
Uターンで職をお探しの方、あるいは働く意思をお持ちの方はご連絡
をください。
勤務条件は、ご相談に応じますので、ご連絡ください。
連絡先 新潟労災病院 総務課
電 話 025−543−3123
FAX 025−544−5210
E-mail info@niirou.jp
担 当 松 尾
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専門外来・検診等のご案内
平成18年10月1日現在
専門外来等 |
開設日時 |
担当医師 |
備考 |
アスベスト検診 |
毎週火・木曜
9:00〜12:00 |
森山部長(内科)
高橋部長(内科)
石田医師(内科)
酒井院長(放射線科) |
・一般検診コース/CT検診 コースのいずれかを選択
・予約制
(医事係、内線1233へ) |
日帰り人間ドック |
毎週火・水・木曜
8:30〜15:00 |
森山部長(内科)、他 |
・予約制
(医事係、内線1233へ) |
政府管掌・一般
健康診断 |
毎週火・水・木曜
8:30〜13:00 |
森山部長(内科)、他 |
・予約制
(医事係、内線1233へ) |
睡眠時無呼吸(SAS)外来 |
毎週月曜
13:00〜15:00 |
森山部長(内科)
高橋部長(内科)
石田医師(内科) |
・予約または直接受診
・予約は内科外来
(内線3010)へ |
禁煙外来 |
毎週火曜
13:30〜15:00 |
森山部長(内科)
井上部長(呼吸器外科)
酒井院長(放射線科) |
・予約制
(内科外来、内線3010へ)
・自由診療
(19年度より保険診療開
始予定) |
女性専用外来 |
毎週火曜
14:00〜16:00 |
藤田医師(外科)
石田医師(内科)
宮本医師(精神科) |
・予約制
(医事係、内線1233へ)
・すべて保険診療 |
振動障害検診 |
毎週月曜
14:00〜 |
岡部部長(整形外科) |
・予約制
(医事係、内線1233へ) |
糖尿病高危険群を対象とした“1泊2日生活習慣見直しコース” |
毎月第2木曜
12:30〜
翌日18:30 |
太幡部長(内科)
河原医師(内科) |
・予約制
(地域医療連携室、電話
直通で025-543-7190へ) |
腰痛予防教室 |
(パート1)
奇数月第3金曜
15:30〜16:30 |
整形外科医師 |
・(パート2)は1週後の第4 金曜の同じ時間帯で、作業療法士・理学療法士が担当
・予約制
(医事係、 内線1233へ) |
第2回股関節教室のご案内
開催日時 |
平成18年10月20日(金曜日)
15時〜16時 |
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講義内容 |
人工股関節置換術について
岡部整形外科部長 |
場 所 |
新潟労災病院 3階会議室 |
参 加 費 |
1000円(資料代込み) |
申し込みの必要はありません。ご自由にご参加下さい。 |
お問い合わせ先
新潟労災病院 リハビリテーション科 025-543-3123(内線1555) |
【 まとめ 】
すべての項目において、満足が50%前後を占め、次いで普通が40〜45%、不満が2〜10%という結果になりました。「料理の味」については、約10%の方が不満に感じていました。その理由としては、「うす味だから」という意見が多く、塩分の濃い味付けを好まれる方が多いようです。塩分は多めにとることが多いので、入院を機にダシのきいた塩分の少ない味になれていただければと思います。また、「主食について」の項目でも、10%の方が不満に感じていました。理由は、量が多い・少ない、炊き加減が硬い・軟らかいという意見に分かれていて、個人差があるように感じられました。量については、普通盛り・小盛り・大盛りがあるので、その中で対応していけると思います。
「給食全体について」、「ご意見について」などでは、好意的なご意見が多く、大変うれしく思います。これを励みに今後もスタッフ一同、力を合わせて頑張っていきたいと思います。ご協力どうもありがとうございました。
「みんなのひろば」
ぶどう、くり、いちぢく、いも、きのこ・・・ おいしい季節がやってきました。晴れた日には、どこまでも澄んだ空の下で実りと平和への感謝祭はいかがですか?
散歩道
「角」は心のごはんです、と謳ったCMがかつてあり、この文句を記憶想起する年代の私も今迄幾度と居を替えるも、上越地区にとっては未だ「新参者」である。その私の「心のおかず」ともいうべき興味の対象の一つが転任地の「郷土史」である。2005年11月に新潟日報事業社刊行の「新・にいがた歴史紀行 10 新・上越市」は、新潟県内の史跡・文化財を写真・略地図付の解説で紹介するシリーズの一冊であり、「御館跡」等、加賀街道の「角」にある当院近傍の史跡の由来もわかり易く解説され、読むにつれ上越の歴史の深さを改めて認識する書である。生来より在住する地元の史跡や観光地に、学校行事以外一度も足を運ぶ機会に巡り会わないのは「法則」としてもありがちだが、昨今の自国の文化言語への回帰ブームとも相俟って、下暗い郷土文化を改めて知ることで新たな見識や矜持を得て、しいては仕事や生活の大いなる「心のごはん」たる精神活力の源になり得るものと考える。もし同書に巡り会う機会があれば一読をお薦めします。
(M.S)
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