ろうさいニュース

当院の理念
「働く人の健康を守り、地域の急性期医療に貢献します」

第54号
2007年1月1日

新潟労災病院
上越市東雲町1−7−12
TEL:025(543)3123
URL http://niirou.jp/

新年の抱負
−収支相償を目指して−

病院長  酒井邦夫

 新年おめでとうございます。
 昨年は「命」という一字で締めくくられました。「悠仁様」のお誕生という国民の待望していた慶事があった一方で、児童虐待やいじめ自殺など、痛ましい事件も数多く報道されました。社会全体が子供を大切にするという日本古来の美風を、今年はぜひ取り戻したいものです。
 さて今年は、収支相償を目指して平成16年度にスタートした中期計画が4年目を迎えます。中期計画全体の評価は平成19年度までの実績が対象となりますので、17年度に引き続いて、18年度並びに19年度の収支をプラスにする必要があります。本稿では、当院が収支相償を達成するための対策をまとめてみたいと思います。

1.DPCの活用
 当院の入院診療は、昨年6月からDPCという包括支払方式(本紙第45号をご参照ください)の対象となっております。DPCは、一言でいえば、医療の質を向上させるための手段であり、また同時に病院経営のマネジメント能力を向上させるための手段とも言われております。
 DPCでは、出来高と異なり、効率的な医療、すなわち医療資源の投入量を必要最小限にすることが求められます。診断をつけるにあたっても、卑近な例でいえば、「下手な鉄砲も、数打ちゃ当たる」式のやり方ではなく、「狙い定めた一発」、すなわちプロの目が要求されます。プロとしての技量がないと、“粗診粗療”になる可能性も指摘されているところです。しかしこれまでに実施された厚労省の調査では、DPCのために粗診粗療となる事実はないとされております。
 DPCの最大の利点は、診断群ごとの収支を他の病院と比較(ベンチマーキング)できるところにあると思われます。これによって標準的な治療との差異が明確になる効果も期待されます。当院ではDPC解析ソフトを導入し、DPCの活用方法を検討し始めたところですが、医師をサポートするDPC解析のプロを養成することも必要と考えております。

2.支出削減対策
 病院を取り巻く環境は、この数年間で激変いたしました。総医療費抑制政策をはじめとする効率最優先の諸政策が病院経営を直撃し、多くの病院が存亡の危機に立たされております。このような状況下での病院経営では、支出削減対策が極めて重要になります。とくにDPC環境下では、コスト削減の可否が収支に直結することになります。
 当院では、@検査・画像診断の外来へのシフト、A後発医薬品への切り替え、Bクリティカルパスの積極的導入、CIT化の推進によるフィルムレスへの移行、などを具体的な検討課題として鋭意検討を進めているところです。

3.収入増加対策
 病院収入は患者数と診療単価に左右されますので、それぞれの面から対策を考える必要があります。
 当院では、入院診療単価を確保するために、療養環境加算の取得と7:1入院基本料の取得を目指しております。療養環境加算取得のためには、1床あたり8u以上の面積を確保する必要があることから、病床22床の削減が必要になります。このため現在機構本部との折衝を続けているところです。7:1入院基本料については、大学病院を含む大病院が一斉にこの方向で看護師を集めたために、必要とする看護師数を平成19年度当初から確保することは困難な状況ですが、急性期病院として医療の質・看護の質をさらに向上させるためにも、できるだけ早い時期に実現したいと考えております。
 患者数の確保のためには、従来から力を注いできた診療体制の充実、地域医療連携の推進、広報活動の強化などに、地道な努力を続けるしかないと思います。しかし地域医療連携を進めるにあたっても、当院の特色を鮮明にすることが求められます。従来からの整形外科・脳神経外科等の外科系診療科の特色をさらに鮮明に打ち出す一方で、かねてから要望されていたがん診療の中核病院の一翼を担うために、PET−CT並びにリニアックの導入を検討しております。早ければ平成20年度当初からの稼動を目指しておりますが、この計画の実現によって地域医療のさらなる向上に寄与できれば幸いと考えております。

本稿では病院経営の効率化のことが中心になりましたが、もちろん患者中心の質の高い医療の実践を前提としていることを、念のために付記したいと思います。関係各位には、当院の運営に付きまして、本年もまた温かいご指導とご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。


転入   転出
(1/1) 内科 いのまた  しげる
猪俣 繁 医師
  (12/31) 循環器内科 保坂幸男 部長
          内 科 和田真一 医師
プロフィールについては、次号でお知らせします。

☆ ノロウイルスの感染予防について ☆

1 感染予防の基本は手洗いです。
  ノロウイルスは、食品を介して感染する場合と、感染者のおう吐物や便が手指などに 付いて感染する場合があります。家族全員が手洗いをきちんと行うことが重要です。次 の場合には、石けんと流水で、十分な手洗いを行いましょう。(指先や爪の間、指の間、 親指の周り、手首も十分に!)
   @ 外から帰った時  A 調理の前  B 食事の前 
   C トイレの後  D 感染者のおう吐物や便の後始末の後
 *手洗い後の手拭用タオルは、使い捨てのペーパータオルか個人用  のタオルを使用しましょう。

2 便やおう吐物の片付けは、注意して正しく行いましょう。
 【便・紙おむつの片付け】
  自分でトイレに行けない高齢者や乳幼児の場合は、使い捨てのビニール手袋を着用し、 周囲の人が排便後のおしりを拭いてきれいにします。排便のお世話の後は、他のところ に触れないようにして、すぐ手を洗います。
  紙おむつはトイレで便を落とした後、ビニール袋に密封して捨てます。トイレを便で 汚したらその部分を塩素系の消毒液【下記、消毒薬の作り方の項を参照】で消毒します。
【おう吐物の片付け】
 使い捨てのビニール手袋、マスク、汚れてもいいエプロンを着用します。おう吐物は使い捨ての布やペーパータオル等で外側から内側に向けて折り込みながら静かに拭き取ります。使用したペーパータオル等は周りに触れ ないようにして、すぐにビニール袋に入れ密封して捨てます。汚染した部分は、塩素系 の消毒液で消毒します。
  *おう吐物や便の処理中・処理後は窓を開ける等換気を十分に行いましょう。

3 お風呂に入る前には、おしりをきれいにしましょう。
  おう吐や下痢症状のある人は、シャワーだけにするか、入浴する順番を 最後にします。浴槽につかる前には、石けんをつけてお尻をよく洗いまし ょう。また、他の家族と混浴はさけましょう。風呂の水は毎日かえて、浴槽や風呂の床、 洗面器、椅子なども清潔に掃除をします。タオルやバスタオルの共用はやめましょう。

4 下着や汚れた衣類は消毒をして洗濯しましょう。
  感染者の便やおう吐物で汚れた下着や衣類は、他の家族のものとは別に洗濯します。 まず付着した便やおう吐物を取り除き、その後85℃で1分以上になるように熱湯消毒 するか、塩素系の消毒液(下記の作り方を参考)に10分間つけて消毒し普通に洗濯します。

【消毒液の作り方(原液濃度が6%の場合)】
 ノロウイルスに効果がある消毒液は家庭用漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)
だけです。用途に合わせて正しい濃度の消毒液を使用しましょう。
 〔トイレ、床などの消毒〕 0.1%の濃度 → 水3gに対し原液50mlを入れる。
 〔汚れた衣類の消毒〕 0.02%の濃度 → 水3gに対し原液10mlを入れる。
         *目安としてペットボトルのキャップ1杯が約5mlです。

「みんなのひろば」

 新しい年のはじめ。今年は何を祈りましょうか・・・ やっぱり、世界の平和と健康ですね! 流行のウィルスに負けない強い体と、テロの脅威に屈しない強い精神を作りましょう。それには心のゆとりです。俳句、短歌などで心にゆとりをもちましょう・・・・


散歩道 

 干支の話をしましょう。十二支が日本に伝わったのは六世紀半ばとのこと。神様が、新年の挨拶に来るようにと動物達にお触れを出した。「早く来た順に動物の大将にする」とのこと。歩くのが遅いからと、早めに出掛けた牛の背に乗り、ゴール寸前で牛の背から飛び降りたねずみが一番。あとはご存知の順番で到着した。猫年がないのは、猫はいつ行くのか忘れてしまい、ねずみに一日遅れの日を教えられて遅れてしまったからだと。今でも猫はねずみを恨んで追い回している。ねずみってちょっとずるい!そんな「子年」の特徴は、行動力と財。「丑」は、粘り強さと誠実。「寅」は、決断力と才知。「卯」は、温厚で従順。「竜」は、正義感と信用。「巳」は、探究心と情熱。「午」は、陽気で派手好き。「未」は、穏やかで人情に厚い。「申」は、器用で臨機応変。「酉」は親切で世話好き。「戌」は、勤勉で努力家。「亥」は、勇気と冒険。また、猪の肉は万病を防ぐと言われ、無病息災の象徴とされているようです。亥年のこの一年、健康な暮らしができますように…… (H.M)

 

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