病院から「ろうさいニュース」を書くよう依頼があった。正直のり気がしない、締め切りはとっくの昔、追い立てられる始末。しかもテーマが「医学記事」だそうだ。毎日病院で過ごし病気を診ているのに、ろうさいニュースまで病気のことを書かなくてもと思ってしまう。そこで直感的にでてきたテーマがなぜか酒だった。
上越にきて3年が過ぎようとしているが、とにかく酒がうまい。そのせいか酒飲みも多い気がする。当然、酒による病気も多い気がする。軽い肝機能障害を初めとして肝硬変症、肝臓がん、胃・食道静脈瘤、アルコール依存症、急性・慢性膵炎など数え上げるときりがない。この病気達、診察をしているとどうにかしてやろうと思うがなかなか難しい。なにせ酒は嗜好品、酒類、飲酒量も個々人違う、診察ではみんな飲酒量を少なく見積もって報告するし、短い診療時間で患者さんと話し込むのは難しい(個人的に酒の話は好きだが)。そこで私見であまり根拠もないが私なりに酒を飲んでいて、いいんじゃないという飲み方がある。
@ 一人で飲まない(一人で飲むとろくでもないことを考えながら、いつまでも飲んでしまう)
A 日本酒換算2合/日(2合は飲んでいるとあっという間、でもこれくらいが気持ちよい)
B 休肝日を設ける(2日/週)
C 酒と同量の水を飲みながらの飲酒(アルコール代謝に水がいるから補充、自然と飲酒量も減るはず、次の日が楽)
上記のごとく飲んでいれば破壊的に飲むこともないし、病気にもなりにくいだろう。早速実行してみて、ダメなら病院に来てくれれば良い。要は予防が重要なのだ。さまざまな理由から飲酒行動をとってしまう気持ちも分かるが大酒飲んで、肝硬変症、食道静脈瘤破裂、血を吐いて死ぬのを診ていると結構切ない。働き盛りの若い人もいるからなお切ない。
酒は一人ではやめられないもの、首に縄でもつけて御家族が引っ張ってこないと絶対に病院にはこない。来るときは食事が取れなくなった、だるい・やせてきた、血を吐いた、などと飲みすぎ症状で仕方なくやってくる。朝から飲んでいる人、なにかに追い詰められたように飲んでいる人(強迫的飲酒)、健康診断の2週間前に禁酒して採血したら肝障害を指摘された人などいたら要注意だ。
最後に、とにかく新潟の酒(日本酒)はうまい。どうせ酒を飲むなら新潟の、もっと地域を限れば上越の酒を飲むと良い。酒飲みの地域貢献だ。
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