ろうさいニュース

当院の理念
「働く人の健康を守り、地域の急性期医療に貢献します」

第62号
2007年9月1日

新潟労災病院
上越市東雲町1−7−12
TEL:025(543)3123
URL http://niirou.jp/

新潟県中越沖地震を経験して

 事務局長  糸山勇人

 去る7月16日午前10時13分に新潟県上中越沖を震源地とするマグニチュード6.8の地震が発生し、柏崎市・刈羽村では死者11名を数え、多数の住宅が倒壊するなど大きな被害が出ました。上越市でも柏崎に近い頸北地域では震度6弱と大きく揺れました。
当院では建物やライフラインへの大きな被害はなく、一時停止したエレベーターも1時間程度で復旧いたしました。 
  地震直後から休日にも関わらず医師を始め職員が続々と登院し、最終的には80名近くの職員で、時間を置かずに救急患者の対応に当たることができたのは幸いでした。結局、当日は30名の方を診察し、そのうち13名の方が入院となりました。
  当院が今回の地震に比較的スムーズに対応できた背景には、実は約1月前に行われた「上越地区合同災害シミュレーション訓練」に参加したことが挙げられます。この訓練は上越地域振興局(上越保健所)がコーディネーターとなり、各病院(当院、県立中央病院、上越総合病院、けいなん病院)や上越消防、上越市、妙高市などが一斉に行う当地区初の大規模訓練でした。
6月9日(土)の午前9時10分に直下型地震発生(震度5−6)という想定の下、19名の重軽傷者を受け入れ、正面玄関付近での二次トリアージ、放射線・検査への流れ、重傷者のオペ室への搬送、死亡者への対応等の訓練を行いました。今回は初回ということもあり、当院では建物、ライフライン等には被害はなく、診療機能は温存されているということで、ある程度シナリオに沿った訓練になりましたが、いろんな反省点が出てきました。そうした点を踏まえ、合同災害訓練の検証を行うこととしていた矢先でもありました。
今回の地震を経験して感じたことは、やはり日頃からの取り組みに尽きるということでしょうか。訓練の大事さが身に染みました。こうした災害時において、病院は救急患者の受入など大きな役割が求められることは言うまでもありません。年1度での訓練の実施はもちろんのこと、そうした心構えをもって備えて行きたいと思っています。

 

中越沖地震活動報告

病院長  酒 井 邦 夫

  当院では、被災された患者さんの診療にあたるとともに、新潟県の要請に基づき医療救護班を被災者の集中した柏崎市等に派遣いたしました。当院のこれまでの活動状況の概要をご報告いたします。

○被災患者の受け入れ状況

    • 7月16日:受診患者数30名(内入院13名)
    • 7月17日:受診患者数 5名(内入院 4名)
    • 7月18日:受診患者数 1名(内入院 0名)
    • 7月19日:受診患者数 4名(内入院 2名)
    • 7月20日:受診患者数 3名(内入院 0名)
    • 7月22日:受診患者数 2名(内入院 1名)
    • 7月24日:受診患者数 1名(内入院 0名)
    • 7月25日:受診患者数 2名(内入院 0名)
    • 7月26日:受診患者数 1名(内入院 0名)
    • 7月28日:受診患者数 1名(内入院 0名)
    •  
      合計        50名(入院延患者数 20名)
○医療救護班の派遣
《第1陣》

年月日 班名 班編成

診療
人数

備考

7月18日

第1班 内科医師1、看護師2、薬剤師1、事務1、運転手1 11人

午前8時出発
午後8時帰着

7月19日

第2班 整形外科医師1、研修医1、看護師2、薬剤師1、事務1、運転手1 21人

午前8時出発
午後7時30分帰着

7月20日

第3班 内科医師1、研修医1、看護師2、薬剤師1、事務1、運転手1 24人

午前8時出発
午後6時30分帰着

《第2陣》

年月日 班名 班編成

診療
人数

備考

7月23日

第4班 呼吸器外科医師1、看護師2、薬剤師1、事務1、運転手1 22人

午前8時出発
午後6時15分帰着

7月24日

第5班 外科医師1、看護師2、薬剤師1、事務1、運転手1 11人

午後1時出発
午後8時40分帰着

7月25日

第6班 内科医師1、看護師2、薬剤師1、事務1、運転手1 18人

午後1時出発
午後9時30分帰着

《第3陣》

年月日 班名 班編成

診療
人数

備考

8月4日

第7班 内科医師1、研修医2、看護師2、事務1、運転手1 13人

正午出発
午後8時帰着

* 8月4日までに医療救護班の診療した延患者数:120人


「みんなのひろば」

 猛暑に耐えた虫たちが、出番はまだかと待っています。セミではない涼やかな声が聞こえませんか?


 散歩道  

《看護師数と医療安全》

 昨年度の診療報酬改定で看護師配置を7:1とする病院の入院基本料が大幅に優遇されたために、どの病院も主として経営上の視点から看護師の大量確保に動き出した。このため看護師不足が大きな社会問題となっている。しかし手厚い看護体制を優遇した本来の理由は、安全・安心の医療を確立するところにあったはずである。
  最近の米国での調査によると、一人の看護師が担当する患者数が多いほど、医療過誤が増加すると報告されている。また看護師が平均的に担当する患者数が一人増えるごとに、患者の死亡率は7%増加し、看護師の不満は23%、燃え尽き症候群は15%も増加するとの報告もある。
  急性期医療を担当する病院が7:1を目指すのは、単に経営上有利になるからという理由だけではなく、看護師の過重労働を防ぎ、医療安全を確保するためであることを忘れてはならない。

(K.S.)

9月 人間ドック(日帰り)等の予約状況 平成19年8月21日現在

* お申込み・お問い合わせ   空き状況等をご確認の上お申し込みください。
医事課医事係 小松 025-543-3123  内線1233
* ドック・オプションのご案内
胃癌検診 胃カメラ 15,000円(経鼻内視鏡、経口内視鏡の選択が可能)
胃透視 10,000円
肺癌検診 CT 9,000円
喀痰細胞診 3,500円
子宮癌検診 子宮頚部細胞診・内診 3,500円 (第1・3・5の火曜日のみ)
乳癌検診 マンモグラフィ・触診 6,000円
前立腺癌検診 PSA測定 1,800円
骨粗鬆症検診 骨密度測定 3,600円 (エックス線検査による)

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