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             がん検診の効用と受診率向上策  
               
             病院長  酒 井  邦 夫 
             がんで亡くなる人は年間約33万人、3人に1人ががんで死亡しています。がんはまさに国民病であり、がん対策は重要な国策の一つと言えます。その意味で、一昨年6月「がん対策基本法」が成立し、また昨年6月国の「がん対策推進基本計画」が定められたことには、大きな意義があると思います。  
               この「がん対策推進基本計画」は、「今後10年でがん死20%減」の大目標を掲げ、その達成に向けて、「がん検診受診率は今後5年以内に50%」を数値目標としています。本稿ではがん検診の効用と受診率について現状を整理してみたいと思います。  
            1.科学的根拠のあるがん検診  
 がん検診の目的は、がんの早期発見・早期治療によって救命することにあります。従って、がん検診が本当に有効かどうかは、検診を実施することによって対象集団におけるがん死亡率が減少するかどうかで判定されます。  
 信頼性の高い判定方法によって、がん死亡率減少効果があると判定されているがん検診は、現在のところ次の6つです。   
            
              - 胃がん検診:胃X線検査を用いた逐年の胃がん検診は、症例対照研究によって効果が証明されています。 
 
              - 子宮頸がん検診:30歳以上の女性を対象とした子宮頸がん検診は、症例対照研究・コホート研究によって効果が証明されています。 
 
              - 乳がん検診:視触診とマンモグラフィー(乳腺X線撮影)を併用した乳がん検診は、無作為化臨床試験によって効果が証明されています。 
 
              - 肺がん検診:胸部X線検査と高危険群に対する喀痰細胞診を併用した肺がん検診は、わが国では症例対照研究によって効果が証明されています。 
 
              - 大腸がん検診:便潜血検査による大腸がん検診は、海外における無作為化臨床試験及び国内の症例対照研究によって効果が証明されています。 
 
              - 肝がん検診:肝炎ウィルスキャリア検査による肝がん検診は、無作為化臨床試験によって効果が証明されています。 
 
             
            
            
2.わが国におけるがん検診の経緯と現状  
 わが国のがん検診は、昭和57年度に老人保健法に基づく市町村事業として開始され、最初に胃がん検診、子宮頸部がん検診がスタートしました。その後、肺がん検診、乳がん検診、大腸がん検診が追加され、受診者数は増加し、精度管理も向上してきたところです。しかし平成10年に一般財源化され、現在は法律に基づかない市町村事業として行われています。   
 がん検診の受診率は、算定方法が統一されていないこともあって、正確なデータの入手は困難ですが、「平成16年国民生活基礎調査」によれば、あらゆる実施主体によるものを含めて13.5〜27.6%とされております。前述の5つのがん検診の受診率は平均して約20%と大変に低いのが現状です。  
 平成20年度からは、メタボリックシンドロームに対する特定健診・特定保健指導(いわゆるメタボ健診)がすべての医療保険者に義務化されますが、がん検診は健康増進法に基づく事業として、引き続き市町村の努力義務として行われることになります。  
            3.がん検診受診率の目標達成に向けて  
              がん検診の普及を阻む要因として、国民の関心の低さ、検診受診率等に関する基本データの不備、市町村の財政難などが挙げられています。そして平成20年度からメタボ健診が義務化されると、市町村の担当者はがん検診まで手が回りにくくなり、がん検診受診率のさらなる低下さえ懸念されているのが現状です。  
              このような状況の中で、「がん検診受診率は今後5年以内に50%」の目標はどうなるのでしょうか。新潟県は、がん検診の重要性に関する啓発と検診受診体制の整備等に力を入れて、目標達成を目指すとしております(第34回医療に関する行政との懇談会における健康対策課長の発言)。県民に対する啓発活動は極めて重要であり、当然のことながら医療機関としても積極的に協力すべきであると考えます。  
              しかしながら国の施策として考えた場合、がん検診についても、メタボ健診と同様に保険者の義務とすべきではないでしょうか。がん検診の義務化によって、受診率向上へのインセンティブが働き、受診率の正確な把握が可能となり、精度管理も一気に向上することが期待されるからです。厚生労働省の医療政策の見直しを期待するところです。  
                     
            第6回北陸3労災病院TQM共同発表会の開催 
             平成20年3月1日(土)に当院担当で第6回北陸3労災病院TQM共同発表会が開催されました。  
              富山労災病院から2題、燕労災病院から2題、そして当院から3題の計7題の発表がありました。今回、当院の6階東病棟が発表した活動テーマ「爽快に愛すのん」が優秀賞を受賞、最優秀賞には富山労災病院1病棟3階が発表した「蓄尿バッグをどげんかせんといかん!」が選ばれました。  
              今回表彰を受けたチームは下記のとおりです。  
            
              
                |   | 
                部 署 | 
                活動テーマ | 
               
              
                | 最優秀賞 | 
                富山労災病院 1病棟3階 | 
                蓄尿バッグをどげんかせんといかん! | 
               
              
                | 優秀賞 | 
                新潟労災病院 6階東病棟 | 
                爽快に愛すのん | 
               
              
                | 優秀賞 | 
                燕労災病院  4階東病棟 | 
                データベース聴取時間の短縮をしよう | 
               
              
                | 特別賞 | 
                富山労災病院 3病棟3階 | 
                牽引だよ!スタンバイOK! | 
               
             
              
            ☆☆☆ 医師交代のお知らせ ☆☆☆  
            
              
                | 転入 | 
                  | 
                  | 
                転出 | 
                  | 
                  | 
               
              
                | (4/1) | 
                呼吸器外科 | 
                岩浪崇嗣副部長 | 
                (3/31) | 
                外 科 | 
                福島正之副部長 | 
               
              
                |   | 
                リハ科 | 
                村田 高副部長 | 
                  | 
                呼吸器外科 | 
                近石泰弘医師 | 
               
              
                |   | 
                リハ科 | 
                住吉康之副部長 | 
                  | 
                リハ科 | 
                鈴木和也副部長 | 
               
              
                |   | 
                リハ科 | 
                渡嘉敷卓也医師 | 
                  | 
                リハ科 | 
                萩原宏樹医師 | 
               
              
                |   | 
                皮膚科 | 
                稲 晃市郎医師 | 
                  | 
                リハ科 | 
                玉川省吾医師 | 
               
              
                |   | 
                泌尿器科 | 
                武田啓介医師 | 
                  | 
                脳神経外科 | 
                鬼頭知宏副部長 | 
               
              
                |   | 
                放射線診断科 | 
                古澤哲哉部長 | 
                  | 
                泌尿器科 | 
                信下智広医師 | 
               
              
                |   | 
                放射線治療科 | 
                中野敬太副部長 | 
                  | 
                眼 科 | 
                南雲はるか医師 | 
               
              
                |   | 
                  | 
                  | 
                  | 
                  | 
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                プロフィールについては、次号でお知らせします。   | 
               
             
              
            連携医療機関のご紹介 
            いつもお世話になっております  
            医療法人社団 笹 川 医 院 
            院長  荻 野  和 子 
              笹川医院は、直江津港の佐渡汽船乗り場手前、関川河口にあります。私の祖父は八千浦地区で開業し、その昔人力車で往診して、赤ちゃんを取り上げたといいますが、早くに病に倒れたため一時閉院。父、和夫が昭和30年、港町に新たに内科医院を開業いたしました。当時の港町は、子供の多い活気のある町で、さまざまなお店が軒を連ねていました。通りはにぎやかで、鉄工所の大きな音や子供たちの元気な声があふれ、また夏の夕方にもなれば、夕涼みに戸外に出るお母さんたちが立ち話をして・・・当院は、いつもそんな中にあり、人々にささやかではありますが、安心をもたらしていました。  
               さて、タイムスリップするのはこのくらいにして、私のお話を少し。私は聖マリアンナ医大病院第三内科に入局し、主に糖尿病と骨代謝の勉強をいたしました。母親の病気のため帰郷。平成2年より、父と共に地域医療、在宅医療、学校医、産業医などを経験し、個人的にも親の病気や介護、看取りを体験することになりました。昨年他界した父は、昔から病気で困っている方があれば夜でも往診し、看取り医療も苦と思わずに実践してきた人です。私も、父の遺志を受け継ぎ今後もできる限り患者様側に立った医療を心がけていきたいと思っています。緩和医療についても病院だけでなく、在宅でできることが多々あると考えられますので、今後研修し前向きに対応できればと思います。また、かかりつけ医としましては、病診連携による高性能CTや、MRI、各科紹介受診など、迅速に対応していただけるので、大変助かっております。往診先からも不意な転倒骨折や、下肢動脈閉塞壊死などで緊急搬送をお願いする場合がありましたが、いつ何時でもこころよく受け入れていただけたことは、本当にありがたく思っております。当院も老朽化が否めず、近々X線装置や超音波検査機などの充実を予定しております。工事などで一時的にご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、何とぞよろしくお願いいたします。  
              
            「みんなのひろば」 
              
               
             
            
              
                  | 
                散 歩 道 | 
                  | 
               
             
             わが家にはもう20年も飼って長生きしているねこがいる。長男が幼稚園の時高田公園でねこの里親探しをして何気なく通りすがり、眼が合ったのがきっかけであった。長男の幼稚園バスの送りに雪道をてんてんとついて行ったことが想い出される。なわとびをしていると一緒に中に入ってきたこともあった。数々の病気や他のねこ同士のストレスに耐え、引越しの時は元の家に帰ってしまい捜したこともあった。また道路を渡る時は左右を見て渡るため交通事故にもあわずよくここまで長生きしたものと感服している。しかしそのねこも歳には勝てず老化の洗礼を受けて最近は耳も遠くなり認知症の気配も感じられよろよろと歩いている。永い間子供たちの良き遊び相手、癒しの相手になって我が家を見守ってくれてありがとう。        
            (S.N)  
            
              
               
                 
                3月 人間ドック(日帰り)等の予約状況         平成20年3月24日現在 
                  
                                      | 
               
               
                | * お申込み・お問い合わせ   空き状況等をご確認の上お申し込みください。 | 
               
               
                 
                  
                     
                      | 医事課医事係 小松 025-543-3123  内線1233 | 
                     
                                    | 
               
               
                | * ドック・オプションのご案内 | 
               
               
                 
                  
                    
                      | 項  目 | 
                      内    容 | 
                      金額(税込み) | 
                     
                    
                      基 
                      本 
                      検 
                      査 | 
                      診察 | 
                      視診、触診、打聴診 | 
                      30,000円 | 
                     
                    
                      | 身体計測 | 
                      身長、体重、肥満度、体脂肪、血圧、視力、聴力 | 
                     
                    
                      | 血液学的検査 | 
                      赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球数、血小板数、血液像、血液型(ABO、Rh)初回のみ、TPHA | 
                     
                     
                      | 血液生化学検査 | 
                      肝機能(総ビリルビン、GOT、GPT、γ-GPT、ALP、LDH) 
腎機能(BUN、クレアチニン) 
脂質(総コレステロール、中性脂肪、HDL-C、LDL-C) 
血清蛋白、尿酸、リウマチ反応、CRP、血沈                       
                         | 
                     
                     
                      | 肝炎検査 | 
                      HbsAg、HCV | 
                     
                     
                      | 糖尿病検査 | 
                      空腹時血糖、ヘモグロビンA1c | 
                     
                     
                      | 腫瘍マーカー | 
                      CEA、αFP | 
                     
                     
                      | 尿検査 | 
                      蛋白、糖、潜血反応他 | 
                     
                     
                      | 便検査 | 
                      潜血反応(2日法) | 
                     
                    
                      | 胸部X線検査 | 
                      胸部直接X線写真 | 
                     
                    
                      | 腹部超音波検査 | 
                      肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓 | 
                     
                    
                      | 生理検査 | 
                      安静時心電図、呼吸機能 | 
                     
                    
                      | 眼科検査 | 
                      視力検査、細隙燈検査、眼圧検査、眼底写真 | 
                     
                    
                      | 耳鼻咽喉科検査 | 
                      聴力検査 | 
                     
                    
                      | 胃癌検診 | 
                      胃カメラ(経鼻内視鏡、経口内視鏡の選択が可能) | 
                      15,000円 | 
                     
                    
                      | 胃透視 | 
                      10,000円 | 
                     
                    
                      | 肺癌検診 | 
                      CT | 
                      9,000円 | 
                     
                    
                      | 喀痰細胞診 | 
                      3,500円 | 
                     
                    
                      | 子宮癌検診 | 
                      子宮頚部細胞診・内診(第1・3・5の火曜日のみ) | 
                      3,500円 | 
                     
                    
                      | 乳癌検診 | 
                      マンモグラフィ・触診 | 
                      6,000円 | 
                     
                    
                      | 前立腺癌検診 | 
                      PSA測定 | 
                      1,800円 | 
                     
                    
                      | 骨粗鬆症検診 | 
                      骨密度測定(エックス線検査による) | 
                      3,600円 | 
                     
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