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胆のう結石症について

外科医師  上 原 智 仁

 お酒と食事がおいしい季節になりました。これから年末、年始とお酒とともに油ものを食べる機会が増えると思います。今回は油と切っても切りはなせない胆のう結石のお話をしたいと思います。
 胆のう結石は胆のうという袋の中にできます。胆のうは肝臓の下にコバンザメのように張り付いて、胆汁と言う脂を溶かす消化液をためる役割があります。胆のう結石のうち、コレステロールからできるものが6割あり、そのため胆のう結石の原因のひとつとして高脂肪、高コレステロールといった偏った食事が言われています。
 通常胆のう結石は日本人の10人に1人が持っていると言われていますが、胆のう結石を持っている人の8割は症状がありません。しかし2割の人は、食事の後に右側の上腹部やみぞおち、右側の背中の差し込むような強い痛みや吐き気をおこします。さらに胆のう結石が胆のうの出口につまって感染が起こると発熱、黄疸といった症状をおこします。
 痛みの発作を繰り返す方は治療の対象となります。治療は原則として手術(胆のう摘出術)になります。現在は腹腔鏡手術と言う小さな傷で行う手術が主流です。腹腔鏡手術は傷が小さい分、手術後の痛みも少なく、手術後の回復も早いです。胆のう結石症は痛みはじめてから、すぐに病院を受診して手術を行えば、手術後3?5日で退院することが可能です。人間ドッグで胆のう結石があると言われた方や油ものの多い食事をとられる方で、上のような痛みがあればすぐに医師にご相談ください。
 また、症状のない胆のう結石症は治療を行う必要はありませんが、痛みの予防として脂肪の多い食事を控え、野菜を多くとるとよいでしょう。
 お酒の機会が増えてくる年末年始ですが、食生活に気をつけてお過ごしください。

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