ろうさいニュース

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医療安全管理室から

医療安全管理者 西 山 ひ ろ み

 全国的に医療安全への関心が高まったのは、1999年に大学病院で起きた患者取り違え事故がきっかけです。それから10年足らずの間に、国主導による医療安全対策が急速に進んできました。1990年代までの“医療事故はあってはならないこと、個々人の注意で防ぐことができる”という考え方から、“医療事故は起こりうること、チームや組織全体の在り方を改善しなければ事故は防止できない”という考え方に変わってきました。
 当院においても2004年4月の医療安全管理室設置に伴い、室長である医療安全対策総括責任者のもと専任の医療安全管理者が配置されました。2008年4月から前任の医療安全管理者から引継ぎ担当しています。
 主な業務に、職員から日々提出されるインシデントレポートの集計・分析があります。業務中に発生した“危険”や“危険になるかもしれない”報告です。1ヶ月当たり70件以上届き、「転倒・転落」「薬剤に関すること」「チューブ・ラインに関すること」が多いです。
 当院の医療安全活動で特徴的なことは毎週木曜日8時から30分間25名で医療安全カンファレンスを行っていることです。インシデントレポートから検討を要する事例等をタイムリーに取り上げ、情報の共有・周知を図っています。メンバーは医師、事務部門、看護部、薬剤部、検査科、放射線科、リハビリテーション科、栄養管理室、臨床工学技士等、各部署のリスクマネジャーで構成され、専門的な視点から分析・検討しています。また、多職種連携により「与薬カート」を運用していることも特徴のひとつです。カートは「安全な与薬」を目標に医療安全推進委員会で検討後に導入、薬剤師、看護師間で協力して運用しています。
 全国の労災病院では2006年から近隣労災病院間で医療安全に関する相互チェックを毎年実施しています。新潟労災病院は富山労災病院、燕労災病院間でお互い病院に出向、“患者誤認防止”“医療機器の安全な使用・管理”“薬に関すること”などのテーマを取り上げ行ってきました。
 医療安全の活動に患者さんの主体的な参加はとても重要です。例えば、診察や検査、処置時に名前を名乗っていただくこと、説明で不明な点は声に出していただくこと、内服薬等の内容を教えていただくことなどがあげられます。
 安全な医療の提供に向け、職員間の協力はもとより、患者・ご家族の協力を得て医療安全の活動を実施していきたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。

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