がんは死亡原因の1位となりました。現在がん治療は手術・放射線治療・抗がん剤治療の3本柱が基本となりますが、1840年代のがん治療は手術だけでした。その後レントゲンが発見され1896年に放射線治療が開始となりました。抗がん剤の治療はもっとも遅く1946年からです。偶然が重なり発見された抗がん剤ですが、その後も抗がん剤の種類は増えていきました。しかし、副作用に対する対策が遅れてしまいました。このため抗がん剤治療のイメージは「気持ちが悪くなる」「寝たきりになる」など辛い場面を想像する人が多くなってしまいました。TVや雑誌、映画などからの情報でも辛そうなものばかりのせいか、海外の方が抗がん剤に対するイメージに比べて、日本人はより強くマイナスイメージをもっているそうです。辛いイメージのまま治療を受けられた方が「あっけないほど、何もない」と言われるほど、医療は進歩したのです。現在でも入院で行う抗がん剤治療もありますが、副作用対策の進歩により仕事や家事、田んぼや畑仕事などを行いながら、外来治療が可能になったのです。「虫に刺されちゃいけないから。風邪をひいたら困るから」と心配するあまりに治療中は自室にこもってしまう方もいらっしゃいます。治療中は、普段どおりの生活で大丈夫です。普段どおりの生活で大丈夫だからこそ、外来治療なのです。当院の治療室では音楽が流れ、治療室に置かれている雑誌を読みながら治療をしている方も多くいらっしゃいます。まるで美容院にいるかのような空間で、リラックスしながら点滴ができるように心がけています。
抗がん剤治療は未知との遭遇であり「何が分からないのかさえも、分からない」と不安でいっぱいだと思います。そんな時に、がん化学療法看護認定看護師がお手伝いさせていただけたらと思っています。医師でも薬剤師でもなく、看護師だからこそできるお手伝いをさせていただきたいと思っています。
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