私は平成22年12月より、がん看護専門看護師として勤務しています。ここで、「専門看護師って何?どんなことをする人?」と思われている方が多いのではないでしょうか?今回は「専門看護師」について、この場を借りて皆さんにご紹介させていただきます。
「専門看護師(CNS:Certified Nurse Specialist)」は、高度化・専門分化が進む医療現場における看護の質向上等を目的に、公益社団法人日本看護協会において設けられた資格です。「専門看護師」は複雑で解決困難な看護問題を持つ患者さんが、水準の高い看護ケアを効率よく受けられるように、特定の専門分野の知識及び技術を深めた看護師のことをいいます。専門分野にはがん看護、精神看護など10分野があります。資格条件は主に、@看護師経験が5年以上、A日本看護系大学協議会が認めた大学院を修了、B日本看護協会による認定審査に合格することが求められています。現在、がん看護分野では全国で327名(新潟県では6名)認定されています。「専門看護師」の役割は
1.実践:個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。
2.相談:看護職を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。
3.調整:必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。
4.倫理調整:個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。
5.教育:看護職に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。
6.研究:専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。
以上の6つを果たすことが求められています。
私はがん看護専門看護師として、がんの患者さんやそのご家族に直接かかわるだけではなく、看護師や医師などの医療スタッフから相談や依頼を受けてケアの方法や問題解決の方法をアドバイスしたり、スタッフ間の橋渡しを行ったりします。例えば、看護師からは「がんと聞いて落胆している患者さんにどう接すればよいのか」という相談があります。医師からは「患者さんが治療を選択するためのサポートをしてほしい」などの依頼もあります。また、研究活動や病院内外の教育活動も行っています。
がん看護専門看護師が直接的にかかわる患者さんは少ないかもしれませんが、縁の下の力持ちとして、がんの患者さんとご家族ができるだけその人らしく治療や療養生活を続けていけるように支えていきたいと考えています。
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