超音波内視鏡検査(EUS)は先端に超音波がついた特殊な胃カメラを口から挿入し、食道、胃、十二指腸を介して観察することで、体の外からの超音波では観察が困難だった病変を詳細に観察することができる検査です。
また、超音波内視鏡で観察しながら病変に針を刺して細胞を採取するEUS-FNA は平成22 年4 月より保険適応となった、日本では比較的新しい検査法です。内視鏡下生検では診断困難であった、胃粘膜下腫瘍、膵腫瘍、腹腔内リンパ節などの組織や細胞を採取し確定診断をつけることができます。
従来はエコーやCT などの画像検査で体内に腫瘍があった場合、確定診断をつける事ができないために、試験的に開腹して組織を採取して治療方針を決定していたような場合もありましたが、より侵襲の少ない形で組織採取を行うことができます。
たとえば膵腫瘍において従来のERCP(逆行性膵胆管造影)でのブラシによる細胞診での正診率が30〜50%であったのに比して、EUS-FNA では90%以上とも報告されており、いままで困難であった組織学的な診断を正確につけることができるようになってきました。
われわれ消化器内科ではEUS およびEUS-FNA を行うにあたって、先進病院での研修や多数症例経験のある施設からの講師を招いての研修を行いながら、このたび2012 年8 月より超音波内視鏡を導入し、検査を開始いたしました。今後膵癌や胃粘膜下腫瘍、腹腔内リンパ節腫脹などの患者さん方の診断をつけ、その後の治療に結びつけることができるよう努力していきたいと思います。
EUS(超音波内視鏡)での観察のみの場合であれば2泊3日、EUS-FNA による組織採取を目的とした場合には3泊4日の入院で検査を行う予定としています。
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