ろうさいニュース

このウィンドーを閉じる

身体を支える大切な足について


フットケア指導士  東條 久美子

「フットケア」とは美容的なお手入れだけでなく、医療行為だけでもないことが、最近徐々に理解されるようになってきました。フットケア(足のケア)とは「足を清潔にし、皮膚および爪の状態の問題に応じた対処をすること」と定義されています。特に@足の健康維持のためのフットケアA足の病気が起こるのを防ぐフットケアが大切です。この二つは、医療者だけでなく、日頃、ご自身が日常生活の中で出来ることが沢山あります。足を健康にしておくことで、年々増加している転倒を予防できることが注目されてきています。

平成22年度の厚生労働省国民生活基礎調査によると、ここ10年間で要介護者認定者数が2倍以上に増加し、469万人と推定されています。また、要介護者になる要因の第1位は、運動器の障害が23%を占めていることも判明しました。主なものとしては、骨折・転倒があります。その要因としては、骨粗鬆症を始め関節疾患などがあげられます。また、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)が原因で、要介護が必要になる場合もあります。ロコモティブシンドロームとは、骨、関節、筋力などが衰え、バランスや柔軟性が低下することで暮らしの中の自立度が低下してしまうことです。そこで、日常生活を維持・向上させるという観点から、歩くという機能を低下させないことが必要です。「健康は足から始まる」と強調する医師もあるくらいです。足は、自分自身で観察ができます。お手入れもできます。つまり、ご自身で足の健康を守ることができるのです。

では、具体的にどんなことが自分で出来るフットケアなのでしょうか?
@足を観察すること。一日1回は足を見たり触ったりしましょう。触った感触の左右差はないか、傷はないか、爪の生え方も見ましょう。
A爪は短く切りすぎないこと。巻き爪になり皮膚に食い込む原因になります。
B足を洗うこと。毎日でなくても良いです。趾(ゆび)の間や爪の周りも硬すぎないもので丁寧に洗いましょう。そしてクリームを塗ることで、マッサージ効果があり血行がよくなります。
C足に合った靴下や靴を選んで履くこと。靴のなかで趾が自由に動くように横幅にゆとりのある靴を選びましょう。
D足の趾や足首の体操をしましょう。趾や足首の関節を柔らかくしておくことで、歩きやすくつまずかないようになります。

毎日少し気にとめて、フットケアを継続することで「健康は足から」を実感できるようになると思います。ご自身の足でいつまでも歩けるように、足を大切にして頂きたいと願っています。

このウィンドーを閉じる