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皮膚癌について


皮膚科部長  稲 晃市郎

今回は皮膚癌についての話をさせていただきます。

皮膚癌と言っても種類は数多くありますが、代表的な4つの皮膚癌について説明していこうと思います。

よくTVなどで足の裏のホクロは危険だ!!っと言いますが、ホクロはホクロであり、別に危険ではありません。足の裏にホクロのような外観をした皮膚癌が発症することがあるっていうだけです。

その癌は、悪性黒色腫といいます。この病気は、リンパ節転移も血行性転移もする皮膚癌の中で最もたちの悪い癌です。好発部位は足の裏、特に踵です。踵に黒色と茶色のシミのようなものが出来、急激に大きくなってくるようであれば、疑わしいです、ただし、その場合でも7mm以上ないとなかなか正しい判断は出来ません。逆に言うと7mm以下のものはその段階では皮膚癌ではないと判断します。

次に顔面に好発する基底細胞癌という皮膚癌があります、顔のホクロから出血してなかなか良くならないというエピソードで受診する方が多いです。ホクロのように見えますので、黒く、どんどん深く潰瘍化していく疾患です、癌という名前がついていますが、転移はしませんので、手術で取ってしまえば、おしまいとなります。

これら2つの癌の中間的な立ち位置の有棘細胞癌は、少し盛り上がったデキモノ、腫瘤として存在することが多いです。ちょっと触っただけで出血し、いろんな前癌病変(ボーエン病や日光角化症など)から発症することもあります。多くは取ってしまえば終了ですが、まれに転移することもあります。

最後に特殊な皮膚癌で乳房外パジェット病という疾患もあります、外陰部という陰部周辺に出来る癌です。この癌は浅く広く拡がっていく傾向がありますので、手術となると広範囲の切除が必要になります。進行は非常にゆっくりで10年単位でしか進みません。

皮膚癌の診断は皮膚生検といって、腫瘍の一部を採取して、病理検査を行うことで初めて確定されます。最近ではダーモスコピーという特殊な拡大鏡でも診断がかなり着くようになってきました。コレは癌じゃないかな???と不安に思っている方、いらっしゃいましたら、気軽にお近くの皮膚科を受診されてください。

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