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バスキュラーアクセスって?透析室におけるVA管理について


臨床工学技士  加藤 光一郎

当院では現在約70名の透析患者さんがいます。透析治療においてバスキュラーアクセスはとても大切であり、安全に治療を行うために日々の管理は重要です。

血液透析を行うには、体と透析機器をつないで大量の血液をやり取りする交通手段が必要となり、透析患者さんの体に造設するものをバスキュラーアクセス(Vascular Access:VA)と言います。VAは血液の出し入れを行うために設けられたもので、一般的には動脈と静脈を直接つなぎ合わせて作成されシャントと呼ばれています。

患者さんはそれぞれ体の状態が違います。そのため個々に合わせたVAを選定しなければなりません。VAには様々な種類があり、自分の動脈と静脈を繋ぐ内シャント、人工血管を移植した内シャント、表在化動脈、長期留置カテーテルなどがあります。

VAは人の体にとっては非生理的なものなので、様々な合併症を起こすことがあります。合併症には閉塞(血管が詰まり血液が流れなくなる)、狭窄(血管の一部が細くなる。これが進行すると閉塞に繋がります)、感染(細菌感染により炎症を起こし、全身に拡がると最悪の場合、命の危険もある)などがあります。当院ではこれらの合併症を防ぎ、透析を安心安全に受けることができるよう様々な取り組みを行っております。

主な取り組みとして、超音波エコーを用いたシャントエコー。これは日々の観察や血液検査のデータをみて血管の狭窄が疑われる場合、エコーによる血管の状態の検査を実施します。また、近年では患者さんの高齢化や既往疾患による動脈硬化の影響で血管が細く脆くなる症例や、皮膚から血管が深い、走行が複雑などの理由から穿刺が難しい症例も多々あります。穿刺は患者さんにとって苦痛を伴うため、血管のダメージと痛みを最小限に抑えるためにエコーを使用した穿刺を取り入れています。

これらの取り組みは透析患者さんと透析室スタッフの円滑なコミュニケーションをとることが欠かせません。安定した透析を行うには、シャントをよい状態に保つことが大切です。シャントを長持ちさせるためには、自分で毎日観察し、異常を早く見つけることが大切です。気になることや異常を見つけたら早めに受診をしていただき、医師やスタッフにお知らせ下さい。

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