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ストレッチングの効果


中央リハビリテーション部長代理  二ノ倉 寿弘

ストレッチングとは筋肉や関節を伸ばす運動です。ストレッチングの歴史は意外と浅く、1970年代にボブ・アンダーソン(アメリカ)により、柔軟性を高める運動として開発されました。年配の方は柔軟体操の名称のほうが馴染み深いかもしれません。スポーツをする人の準備運動と思われる方も多いかもしれませんが、色々な効果があることが知られています。

1 柔軟性の向上、傷害の予防
筋肉や関節の柔軟性を高めることにより関節の可動域が拡大し、怪我のリスクを低下させます。運動後のストレッチングは筋肉の緊張をリラックスさせる効果があります。

2 関節痛・肩こり・腰痛の軽減
筋肉が硬くなり短縮することで動かしにくくなったり、神経が圧迫されて痛みが生じることがあります。ストレッチングにより血行を促進し、筋肉をほぐすことで痛みを和らげる効果が期待できます。

3 疲労回復
血行が良くなり、筋肉に溜まった疲労物質(乳酸)の排出を促します。

4 リラクゼーション効果、睡眠の質を向上
自律神経のなかでも体や気持ちをリラックスさせる作用がある副交感神経を優位にします。

生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防に有効かはエビデンスが十分とは言えませんが、習慣的にストレッチングを実施している人は血圧が低く、柔軟性が高い人は動脈硬化度が低いことが分っています。
ストレッチングを実施する時の注意点としては、息を止めないこと、反動をつけずゆっくりと体を動かすことが大切です。入浴後など体が温まっている時に行うと効果的で、毎日継続する習慣をつけましょう。立位が不安定な方は椅子に腰かけたり、寝て行うことをお勧めします。痛みが強い場合は無理に行わず、主治医に相談してから開始してください。
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