近年SNSでは闘病のブログがアップされ、芸能人や著名人が「がんと診断された」と発信する機会も増えてきました。私自身、30歳代の時に子宮がん、40歳代の時には胃がんと肺がんで身近な人を亡くしています。胃がんの方は、「最近胃もたれがするから胃薬をもらおうと思って」と病院を受診。「胃カメラ検査をしたことがないなら」と医師に勧められて検査をして胃がんの診断をうけました。そして病院受診から1ヶ月後に亡くなり悔しい思いはずっと残っています。
新潟県の部位別がん死亡率で胃がんは3位、大腸がんは4位、乳がんは8位と高い傾向にあります。新潟県の25~29歳の子宮がん罹患率は約40年間で約20倍に増加し、乳がんについても30歳代以上の各世代で増加しています。若い世代は仕事、子育てが忙しく、平日に休みを取って自分のために時間を作ることは困難な現実があります。また若さゆえどこか「他人ごと」となってしまっています。このため体調変化時の病院受診が後回しになりがちです。
がんを早期に発見する方法として検診があります。子宮頸がん検診対象者は20歳以上で2年に1回、肺がん・大腸がんは40歳以上で1年に1回、乳がん検診は40歳以上で2年に1回、胃がん検診は50歳以上で2年に1回とされています。検診でがんと診断された方の中には早期発見となっている方が多く、5年生存率が高いのが特徴です。このため子宮がんと乳がん検診は無料クーポンを発行して検診受診率UPを目指しています。また、企業が協賛してデジタル無料クーポンを発行しているサイトもあります。
今は健康寿命が伸び、仕事、趣味、ボランティア活動など定年後も元気に活動されている方も多いと思います。早期発見により治療にかかる時間、身体的・精神的・経済的負担を減らし、今の生活と治療を両立できるなどメリットがあります。早期発見はどの世代の方も恩恵を受けることができます。コロナ渦で毎年行っていた検診をやめた方や、検診を1度も受けたことがない方もいると思います。この文章が「自分ごと」としてがん検診受診のきっかけになっていただけることを願っています。
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