もう過ぎてしまいましたが10月10日は「転倒予防の日」でした。ご存じでしたか?
日本転倒予防学会が10月10日を転倒予防の日と制定して、転倒予防のための啓発活動に取り組んでいます。また、厚生労働省と消費者庁は日本転倒予防学会と協力してこの「転倒予防の日」の取り組みを推進しています。転倒というと高齢者の自宅や外出先での転倒をイメージしますが、厚生労働省が推進しているのは職場での転倒予防です。近年は働く高齢者の転倒が増えているそうです。定年延長、定年後再雇用が進み、働く高齢者が増えている背景がうかがえます。
高齢化社会において健康的な生活を送るために、病気の予防だけでなく転倒予防も重要なポイントの一つと言えます。65歳以上の高齢者の3人に1人が1年間に1回以上転倒すると言われています。また転倒した3人に2人は何らかのケガを負うことも分かっています。そして転倒・骨折は要介護の要因となっているのです。
転倒予防のための対策を紹介します。無理なくできるところから取り組んでいただければと思います。
【筋力やバランス能力の維持向上】
①椅子からの立ち座り運動:太ももの筋肉を強化します。1セット10~15回を2セット

②片脚立ち運動:椅子やテーブルに片手でつかまり片脚ずつ10秒、10~15回

③足踏み語想起運動:椅子に腰かけ足踏みしながら、野菜や果物の名前など発します。5秒間5セット

【環境整備】高齢者の場合、転倒は自宅内で発生することが多いです。自宅内で滑ったり、躓いたりしないように整理整頓を心掛けましょう。電気コードを壁に沿わしたり、新聞や衣類を床に置いたままにせず片付けましょう。
【靴などの道具を選ぶ】転ばないような対策を早めにしておくことが大切です。自身のサイズに合った靴を選ぶことや、支えがあった方が安心だと思う方は杖や手すりの導入をお勧めします。
今回のお話を参考にして、転倒予防に取り組みながら健康的な生活を過ごしていただければと思います。(公益社団法人日本理学療法士協会 理学療法ハンドブック18転倒予防より)
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