「待ち時間」 を考える
− 初診の方も診療予約ができます −
事務局長 赤尾恭司
待ち時間の長いことでは、病院や官公庁がよく例にあげられます。昨年秋に実施した当院の患者満足度調査でも、外来患者さんの不満のトップにあがっています(ちなみに入院患者さんの不満はトイレ設備に集中しました。現在、病棟トイレのウォッシュレット化工事を計画しています)。
待ち時間の解消に向けて、政府は平成13年1月にe−Japan戦略を決定し、電子政府・電子自治体というインターネットによる情報提供や行政手続きを進めていますし、一方、当院をはじめ多くの病院では予約制やオーダリングシステムを導入して、待ち時間の短縮を図っています。さらに、当院では、売店前の“憩いのコーナー”の設置など待ち時間のいらいらの緩和にも努めています。
■ 医療機関の機能と待ち時間
医療機関は機能により役割分担されています。厚生労働省は、“かかりつけ医”という診療所や小病院にまず受診して、専門的な医療が必要と判断されたときは大・中病院に紹介するという地域完結型の医療連携を政策的に誘導しています。病院で急性期を脱した後は、療養病床、老人保健施設など慢性期対応医療機関への転院や自宅療養による外来通院に移行することになります。
ちょっと古いですが、平成11年の厚生労働省『受療行動調査の概要』にある“診察待ち時間”の図をみますと、療養型病床群・老人病院・小病院の群は30分以内の方が半数近くを占め、特定機能病院・中病院・大病院の群は1時間以上の方が4割以上を占めていることがわかります。
同省の『平成14年受療行動の概要』では、予約制の有無が取り上げられ、予約をしないで受診をすると待ち時間が長くなる傾向が読み取れます。表は抜粋ですが、病院規模が大きくなるにつれて、予約した人が多くなる反面、待ち時間が長くなっている様子がわかります。
病院の種類・予約の有無別にみた診察までの待ち時間 (平成14年単位%抜粋)
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総数 |
15分
未満 |
15〜
30分 |
30分〜
1時間 |
1〜
1.5時間 |
1.5〜
2時間 |
2〜
3時間 |
3時間
以上 |
小病院 |
(100.0)100.0 |
31.8 |
25.2 |
17.8 |
6.7 |
4.6 |
2.0 |
0.4 |
予約した |
(22.0)100.0 |
42.4 |
25.1 |
14.6 |
5.7 |
3.6 |
1.5 |
0.5 |
予約なし |
(72.0)100.0 |
30.4 |
26.4 |
19.4 |
7.0 |
4.8 |
2.1 |
0.4 |
中病院 |
(100.0)100.0 |
21.8 |
22.3 |
20.6 |
10.7 |
7.6 |
4.4 |
1.7 |
予約した |
(47.0)100.0 |
27.2 |
26.5 |
21.8 |
9.6 |
5.9 |
2.5 |
0.9 |
予約なし |
(47.6)100.0 |
18.2 |
19.5 |
20.6 |
12.4 |
9.6 |
6.4 |
2.7 |
大病院 |
(100.0)100.0 |
17.6 |
20.8 |
23.3 |
12.5 |
8.3 |
4.9 |
1.8 |
予約した |
(67.4)100.0 |
21.8 |
24.2 |
24.6 |
12.2 |
6.5 |
3.3 |
0.7 |
予約なし |
(27.9)100.0 |
9.1 |
14.5 |
22.4 |
14.7 |
13.8 |
9.0 |
4.4 |
注:総数欄の( )は予約の有無の比率を示す。不詳部分があり数値は一致しない。
■ 待ち時間が長くなる理由
当院は、診療所などの先生からFAX紹介された患者さんの診療予約を受け付けています。しかし、初診患者に占める紹介患者の割合は4割ほどです。
当院に初めて来院される6割ほどの方は予約なしで来院されていますので、予約患者の合間の診療となり、長くお待ちいただくことが多くなります。また、予約されている方も“割り込み”を受ける形になりますので予約時間通りに受診できないことになり、どちらにもご不満が生じることになります。
先ほどの表にあるように、病院規模が大きくなるにつれて予約率が高いにもかかわらず待ち時間が長くなる理由はそこにあると思われます。
さらに、医師は、待ち時間が長くならないように、また、入院診療に影響がでないようにと昼食をとる時間を惜しんで診療をする努力を続けるなど、外来診療の待ち時間が長くなることは病院にも大きな影響があります。
■ 初診の方も診療予約ができます
そこで、当院では、他の医療機関からのFAXによる紹介患者の受付を、診療所等の診療時間にあわせて拡大することとしました。今までは当院の受付時間(午前8時30分〜午後5時)内のみの受付でしたが、3月からは午後5時以降や土曜、日曜など休日に診療されている診療所等にあわせて、事務当直者がFAX紹介患者の受診予約をおこなう態勢をとります。
当院受診を希望される方は、どうぞ、かかりつけの先生に当院への受診予約をご依頼ください。また、当院にご紹介くださる先生は、FAX紹介状等の手続きについて先生のご負担を減らすように改善いたしますので、ご意見・ご要望を地域医療連携室にお伝えくださるようお願いいたします。
さらに、新たな試みとして、脳神経外科では受診希望者からの電話による初診予約をおこなうこととし、4月を目途に準備しております。詳細については別途ご案内をいたします。
待ち時間の解消にむけて、皆様のご協力をお願い申し上げます。
よろしくお願いします!(新任医師自己紹介)
歯科口腔外科医師 関 雪絵
2月1日より歯科口腔外科に勤務させていただくことになりました。
新潟大学歯学部卒業で、出身地は中越の魚沼市です。同じ新潟県内でも上越はまたいろいろと違うところがありそうで楽しみにしています。スポーツはあまり得意ではありませんが、山登りが好きなのでさっそく本院の山岳部に入部させていただきました。
まだまだ不勉強なところが多々ありますが、他科の先生方をはじめ、院内スタッフの方々にもいろいろとご相談させていただきつつ学んでいきたいと思っております。みなさんよろしくお願いいたします。
新潟労災病院コスモス会(糖尿病患者会)活動報告
「いい汗かきました」
新潟労災病院コスモス会は、平成15年春「糖尿病の正しい知識と治療予防に努める」「親睦を計り楽しい活動をする」を目的として発足しました。メンバーは、患者様と当院スタッフです。
今年度最後の勉強会は、1月27日に「冬の運動」と題して佐藤恵子理学療法士が、転倒予防の講義と椅子に座ったまま「すわろビクス」を行いました。いい汗もかき、気持ちもリフレッシュ。そのあと1年の活動も振り返りました。春は大島区ゆあみ近辺のウオークラリー、秋には市民プラザでの公開講座、桑取ゆったり村での散策など。その他には、食事・薬・検査の値の勉強会を行いました。来年度に向けて、会員の募集を行っております。会費は、年3000円で「さかえ」(糖尿病の雑誌・定価500円)つきです。詳しい内容を知りたい方は、内科外来看護師にお問い合わせください。(入院の方も大歓迎です。)
(糖尿病療養指導士 患者会協力スタッフ 佐藤)
お 知 ら せ
4月から脳神経外科の外来初診の方は予約制となります。
詳しくは脳神経外科外来にお尋ねください。急患や他院よりの紹介の方はその限りではありません
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病院内での携帯電話の使用についてのお知らせ
従来、病院内での携帯電話の使用は禁止しておりましたが、医療機器への影響が少ないと思われる場所では使用可能としましたのでお知らせします。
◎携帯電話の使用可能場所
病棟・・・各階図書コーナー
2階・・・正面玄関上のBブロックからCブロックをつなぐ通路
1階・・・喫煙室
なお、携帯電話使用可能場所であっても、大声で話さないなど、周りの方々のご迷惑にならないよう、マナーの順守をお願いします。
「みんなのひろば」
花屋のショーケースが黄色やピンクに色づきました。チューリップ、フリージア、菜の花、ねこやなぎ、福寿草、桃、桜・・・ 春を呼ぶためにとびだしました。デスクに一輪かざってみました。ホッと一息、疲れを癒してくれています。
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散 歩 道 |
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<秘湯を訪ねて>
上越より車で4時間余り、栃木県那須高原の標高1300mの雲海の上にたたずむ山間の一軒宿川の湯 大丸(おおまる)温泉を訪ねた。
源泉から湧き出す湯の川の流れをせき止めて、そのまま露天風呂にした温泉である。湯量が豊富で温泉が川のように流れている光景に圧倒されつつ、じゃぶじゃぶと川上へと歩く。野生に還ったような言いようのない開放感を感じ、ゆっくりと日常から脱していく。心地よく時がたつのを忘れさせてくれる。
どんどん流れ去る湯を見ていると、最近見直されている <もったいない> と言う言葉がよぎるが、日頃のストレスも一緒に体から溶け出すような気もして、たまにはいいかと思う。温泉巡りはささやかな楽しみである。楽しみは人生を豊かにしてくれる。
さて今年はどの位楽しみに出かけられるだろうか。
(S.N)
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