顎変形症
顎変形症とは
成長発育につれて顕著に現れてくる上下顎骨の変形であり、永続的で、機能障害(かみ合わせが悪い等)を伴うものを顎変形症といいます。先天奇形は勿論ですが、悪性腫瘍手術後の変形も含まれます。
日本人で多いのが、下の歯が上の歯の前方へ出ている下顎前突症ですが、顎が曲がったり、引っ込んでいたり、顔が長かったり、短かったり3次元的な変形を呈します。
症状
かみ合わせが悪いことや歯並びが悪いといった一般的に矯正治療が必要となる症状に加えて顎が出ている、顎の曲がりといった骨格的な異常を伴うことがほとんどです。上記の症状に随伴して、顎の痛みや口が開きにくいと言った顎の関節の症状を訴える方もいらっしゃいます。
治療の流れ
まず、診査・診断から始まり、顎変形症と診断されますと、歯列矯正からスタートします。この矯正治療につきましては指定医療機関でないと健康保険の対象外になってしまいますので注意が必要です。歯列矯正が終了しましたら当科での入院、手術となり、入院期間は、術式にもよりますが、約2週間程度(オトガイ形成術の場合は5~8日間)です。手術方法につきましては、患者さんの症状に合わせ術式を決定しており、当科では1年間に約40例ほどの手術を行っています。
当科の特徴
当科では下顎手術の術式に下顎枝垂直骨切り術(IVRO)を主体としていることが特徴です。下顎術式には下顎枝矢状分割術(SSRO)もありますが、SSROとIVROを比較すると出血量や腫脹が少なく、合併症も少ないと言われています。また、顎変形症の手術する施設の関係で、新潟県では上越市だけでなく、柏崎市や十日町市、県外では富山県や長野県からの来院もあります。以下、当科の症例数や術式を示します。
<顎変形症>
年別症例数