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入院抜歯

入院して行う抜歯について

当科では埋伏智歯、小さなお子さんの埋伏過剰歯、多数歯の抜歯については、入院下に全身麻酔もしくは静脈内鎮静法を併用した局所麻酔下に抜歯を行い、患者さんのストレスを軽減するように努めています。

1. 埋伏智歯(親知らず)

埋伏智歯の入院下での抜歯は仕事の都合で何度も休みがとれない方や、学生で長期間の休み中に終わらせたい、就職もしくは就学前で時間がないといった時間的制約のある方に好評です。基本的には抜去が必要な歯は同時に抜歯しており、術後の通院も抜糸にきていただくだけで、終了になります。

年間120例ほどの症例数があり、すべての症例で全身麻酔および静脈内鎮静法下に行っています。静脈内鎮静法は全身麻酔よりも体の負担が少なく、抜歯に対する恐怖心がある方に有用な方法で、術中は寝ている状態で、術中の記憶もほとんどありません。当科では歯科麻酔専門医が全例担当しています。また術後の腫脹を軽減するため、クーリングを退院まで行っていただきますので、腫れも最小限になります。入院期間は基本的に3泊4日ですが、麻酔方法や抜歯後の状況によっては短縮も可能です。

2. 埋伏過剰歯

埋伏過剰歯については、歯科治療時や矯正治療前のレントゲンで偶然発見されることが多い疾患で、前歯の生え換わりの時期(6、7歳の時)、特に上顎の正中部に多く発見されます。埋伏過剰歯があることで、歯並びが悪いままで変化しない場合もあり、発見されたら早期に抜歯することをお勧めしています。

小さなお子さんの場合では、恐怖心があるため外来での局所麻酔下処置が不可能なことがありますので、そういった場合、当科では全身麻酔下に行っています。また、全身麻酔もなるべく体の負担が少ない方法で行っておりますので、詳細は担当医にご相談ください。入院期間は、2泊3日を基本としています。

3. 多数歯抜歯(有病者)

高血圧、糖尿病、脳梗塞、骨粗鬆症などの基礎疾患がある方で多数歯を抜歯する場合に1泊ないし2泊の入院で行っています。基礎疾患によっては静脈内鎮静法下に、血圧、心電図、脈拍を管理しながら行います。

特に、抗凝固薬や抗血小板薬(血液の流れを良くする薬)を内服されている場合は、入院下で行うことにより止血管理を徹底し、抜歯後の不安を取り除きます。

入院中は患部の圧迫と冷却で腫れを最小限にするとともに、食事も病状にあったものを提供することができますので、入院下での抜歯を希望される場合は担当医にご相談ください。